1858年に創業した伊藤忠商事は、約一世紀半という長い歴史の中で日本を代表する大手総合商社へと成長を遂げてきた企業だ。その活躍の場は日本国内にとどまらず、世界63ヶ国に約120の拠点を展開。繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融といった各分野における輸出入や三国間取引、さらには国内外での事業投資にいたるまで幅広い事業を手がけている。
また同社は、会議と資料の半減やフレックス勤務の廃止など、従来から働き方改革を積極的に推進してきた企業としても知られている。その一環として2014年5月より、心身ともにフレッシュで生産性が高い朝5時~8時の早朝勤務を奨励する「朝型勤務制度」を正式導入。多くの従業員が深夜まで残業をしていた従来の業務体制から脱却し、従業員の健康とワークワイフ・バランスの改善、およびさらなる生産性の向上を目指している。
働き方改革と並行したBYOD対応のモバイル管理が課題に
全社的な働き方改革と並行して、当時IT企画部としてもメールシステムのMicrosoft Exchangeへの移行やOffice 365の導入など、コミュニケーションシステム基盤の大規模な変革を推進していた時期であった。その中でも特に重要度の高い要件が、プラットフォーム自体のパフォーマンス向上およびスマートフォンの利便性をより活かせる環境整備だったという。
伊藤忠商事 北野 隆氏 |
伊藤忠商事 IT企画部 技術統括室 技術統括室長 ITCCERT長の北野 隆氏は、プラットフォームの刷新についてこう語る。
「弊社では22時から会計システムの夜間処理を行っていますが、決算を伴う繁忙期には翌朝8時頃までかかることがありました。そこで新たなサーバとI/O性能の高いストレージを導入し、夜間処理が2時頃までに終えられる環境作りを目指したのです。これは同時期に進めていた朝型勤務制度を実現する上でも重要でした」(北野氏)
スマートフォンの利便性を活かせる環境整備も、朝型勤務制度との親和性が高いものだった。たとえば、出社前にスマートフォンからメール処理や会議の資料確認などある程度の業務を片付けておけば、出社後すぐに業務を開始できる。
しかし、ここで課題となったのが各種スマートデバイスの管理だった。同社では会社支給の携帯端末に加えて、BYODの利用も視野に入れており、セキュアかつ効率的な管理方法が求められたのである。
選定ポイントは「シンプルなUI」「高度なセキュリティ」「BYOD対応」
そこで同社では、代表的な3種類のセキュア モビリティソリューションの比較検討をスタート。その中から最適な製品として「BlackBerry Enterprise Mobility Suite(以下、Blackberry)」を選択した。
北野氏は選定理由について、シンプルで使いやすいUIに加えて、機密性の高い情報を扱う上でセルフワイプ(一定期間利用しない場合に自動で会社データを消去)を含めた高度なセキュリティが必要不可欠だったと語る。
- BlackBerry Enterprise Mobility SuiteアプリのUI
伊藤忠商事 冨永 新也氏 |
「BYODの観点ではセルフポータルから各種アプリをダウンロードできる点も重要です。これらをすべて満たしてくれるのがBlackBerryでした」(北野氏)
また、伊藤忠商事 IT企画部 技術統括室の冨永 新也氏によると、スマートフォン向けにセキュアブラウザシステムを採用していた頃は、最大ユーザー数は1000に満たないほどであったという。しかしBlackBerryはその優れたUIと機能性が社内でも評判となり、わずか2ヶ月間で2000ユーザーを突破。現在は3600ユーザーに達している。
「デスクワークのみの従業員もいるので、これは現時点でスマートフォンを必要とする社員のほぼ全員だといえるでしょう」(冨永氏)
チェンジ 執行役員 金田 憲治氏 |
導入に際しては、BlackBerryの国内総販売代理店を務めるチェンジがサポートを担当した。チェンジ 執行役員の金田 憲治氏は「日頃から先進的な取り組みに注力されているだけに、業務での利用シーンを想定し、常に一歩、二歩先を見据えた提案やサポートを心がけました」と説明する。
モバイル業務アプリを自社開発し、BlackBerry基盤で配信
こうして朝型勤務制度へのシフトと同時に、時間や場所を問わずセキュアにモバイルデバイスから業務がこなせる環境構築を実現した同社。BlackBerry基盤が全社に展開されることで、モバイルデバイスを活用してモバイルワークを発展させていく土壌が整った。
そして2015年、同社のモバイルデバイス活用は新たなフェーズに突入。自社開発のモバイル業務アプリを利用するべく、BlackBerryのエディションを従来の「Collaboration Edition」から「Application Edition」へとアップグレードしたのだ。
北野氏は、モバイル業務アプリの自社開発は、業務の生産性を向上する目的だけでなく、情報システム部門として将来的な可能性を探る意味で、アプリに対する社内の反応を見ることも重要なファクターだと説明。「こうした取り組みが実現できるのも、BlackBerryのセキュアなモビリティ基盤の選定理由です」と、そのメリットを語る。
こうして同社では自社開発のモバイル業務アプリである、社内電話帳アプリ「イトデンワ」の配信を2016年11月に開始した。名前だけでなく組織や入社年度からも簡単に社員検索が可能なほか、既存アプリ「BlackBerry Work」との連携によるスムーズなメール送信、さらにはPBXを用いた「どこでも内線」アプリと連携して外出先からスマートフォンで内線電話を利用できるなど、同社のモバイル環境を生かした自社開発ならではの極めて利便性の高い仕上がりとなっている。
伊藤忠商事 田中 仁志氏 |
また2017年2月には、グループ会社の情報を集約することで訪問前の基本情報の確認や、所在地までの乗換案内を可能とした「イトラベラー」、および社内システムの各種マニュアルを分かりやすく掲載した「イトラン」の配信もスタート。加えて、独自のニュースアプリについても現在開発を進めているという。モバイルアプリの開発に関して、伊藤忠商事 IT企画部 技術統括室の田中 仁志氏は「BlackBerryで動く『Xamarin』を用いたアプリの独自開発は日本初でしたので、SDKの不具合などアーリーアダプタならではの壁は感じましたが、それだけ大きな成果を得られたと確信しています」と、開発時における苦労を振り返った。
IT部門による積極的な普及活動も利用者増加に大きく貢献
そしてもうひとつ、同社がBlackBerryや独自開発アプリの利用促進に成功した背景として注目したいのが、社内における積極的な啓蒙、普及活動の実施だ。
この点について北野氏は、いかに優れたツールであっても使われなければ意味がないため、新たなITツールを導入した際は「IT広報活動」と称して、社内ユーザーがその利便性やメリットに触れる機会を積極的に増やしていると話す。
「月刊の社内報で特集を組んだり、月1回のペースで開催している中途採用者・帰国社員向けの説明会『はじおか(はじめまして、おかえりなさいの略)』で紹介したりと、できるだけツールが身近な存在として感じられる工夫を行っています」(北野氏)
このようにBlackBerryの導入で、BYODを含むセキュアなデバイス管理と利便性の高いモビリティ環境、そして独自開発アプリの提供基盤を盤石なものとした伊藤忠商事。モバイルに関連するあらゆる基盤として、今後の働き方改革や生産性向上にも大きな効果を見込んでいる。
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