筆者は、Twitterでフォロー数が増えてくると「タイムラインの見逃し需要」も増してくると感じているのですが、最近はそこに目をつけた「タイムラインに流れるURLをまとめる」タイプのサービスがいくつか登場しています。今回はそんな中でも草分け的存在の「paper.li」を紹介します。

スイスのスタートアップベンチャーが開発

paper.liはスイスのスタートアップベンチャーが開発しているサービスです。先月(2011年2月)日本語版が公開されたため、日本でも利用する人が増えているのではないでしょうか。

paper.liのトップページ。最近発行された他のユーザーの「新聞」を見ることも可能

paper.liにはTwitterもしくはFacebookのアカウントでログインします。Twitterのアカウントでログインすれば、自分のタイムラインから「新聞」を作成することができます(最初にメールアドレスの確認プロセスが必要)。

新聞の発行処理中には新聞を刷っているアニメーションが表示されるという凝りよう

発行された新聞の"紙面"には、タイムラインで最も人気があるであろう記事が最も目立つ場所にレイアウトされます。収集されたURLはカテゴリー別にまとめられます。日本語に対応する前はカテゴリー分類がイマイチだったのですが、日本語対応となってからは分類精度が向上しています。

実際に発行された「新聞」。メニューにはヘッドラインの横にカテゴリーが並ぶ

また、YouTubeやGoogle DocsなどのURLが共有されていた場合は「メディア」という欄にまとめられたり、投稿された写真が「画像」という欄にまとめて表示されたりといった工夫も見られます。

(paper.li自体がアルファ版のサービスではありますが)Facebook版の「新聞」は本稿執筆時点ではまだテスト段階のようで、Facebook全体で共有されているURLを対象に、特定のキーワードを含む記事を収集するという仕様になっています。

タイムライン以外を収集する

paper.liでは自分のタイムラインだけでなく、ハッシュタグやリストを指定することもできます。リストは公開されているものであれば他人が作成したものでも構いません。

ハッシュタグを指定したい場合は、新聞を作成する画面に「Twitterハッシュタグをもとに記事を収集」という欄があるので、そこに#付きでハッシュタグを指定します。

リストを指定したい場合も同じく「Twitterリストをもとに記事を収集」という欄があるので、そこに「@ユーザー名/リスト名」のフォーマットでリストを指定します。

さらに「カスタム新聞」という機能もあり、特定のキーワードをTwitterで検索してURLを収集することもできます。検索の対象となるユーザーはTwitterの全ユーザーか、もしくはTwitterのリストに追加したユーザーのいずれかとなります。

現在作成できる新聞の数は、1アカウントあたり10個までです。

新聞の設定

paper.liの設定画面では、発行した新聞のタイトルや発行時間の指定が可能です。

paper.liの設定画面

新聞は発行頻度を設定できますが、「日刊」「朝刊および夕刊」「週刊」の3タイプしか選択できず、したがって1日あたりでは最高でも2回までしか発行できません。フォロー数が多い人にとってはこの制限はネックとなる可能性があります。

新聞の発行は自動もしくは手動で行われます。自動で発行したい場合は発行時間を1つ設定できます。ただ、「朝刊および夕刊」を指定している場合でも設定できる時間は1つだけなので、朝刊と夕刊のいずれかは手動で発行しないといけないかもしれません。

ただし手動で更新する場合、最新版を発行してから約10時間待たないと更新できない仕組みになっています。

発行した新聞はTwitterで公開することもできます。設定画面にある「Twitterで公開」をONにすると、新聞が更新された際に自動的にあなたのアカウントからツイートされます。この時、新聞のトップニュースを構成したユーザーに対して自動的に mention (自分のIDが入っているつぶやきのこと)が飛ぶようになっています。

Twitterにはひとりごとや会話、写真、ブックマーク、チェックイン情報など多種多様な情報が流れてきます。もしTwitterを情報収集に使いたいと考えているなら、ただタイムラインを追いかけるのではなく、今回紹介したようなタイムラインを整理してくれるサービスを併用するといいかもしれません。

同様のサービスが日本からもいくつか登場していますので、そちらについては別の機会に紹介したいと思います。

著者紹介

F.Ko-Ji

ブログやネットサービスを運営するブロガー兼Webエンジニア。大手IT系企業、ベンチャー系Web開発企業を経てフリーに。『F.Ko-Jiの「一秒後は未来」』というブログや、「Meity」「DailyFeed」「梅酒.in」といったサービスを運営しています。