今回は3月7日(木) 14時から開催される「ハイブリッドクラウド研究会 第3回勉強会」の見どころをお伝えするとともに、その予習も兼ねて金融業界におけるクラウド活用の現状について紹介します。

勉強会への参加方法

第3回勉強会は、connpassのページ「ハイブリッドクラウド研究会(HCCJP) 第3回勉強会」で受け付けています。ぜひ奮ってご参加ください。
・開催日時:3月7日(木) 14:00~
・開催場所:日本マイクロソフト 品川オフィス

これまでの勉強会を振り返って

ハイブリッドクラウド研究会の勉強会は、昨年11月27日に第1回を、年明け1月24日に第2回を開催しました

第1回は研究会メンバーが作成した「ハイブリッドクラウドガイドライン」と「Azure Stack PoC検証環境」のお披露目がメインでしたが、第2回はエンドユーザーであるレコチョク 藤川氏をゲストに招き、メーカー/SIerの視点とはひと味違った”本音トーク”が繰り広げられました。VMwareやHPEからもご登壇いただくなど、バラエティ豊かな内容となった勉強会の模様は前回のレポートをご覧ください。

※ 過去の勉強会資料はハイブリッドクラウド研究会のページにまとめています。

また、本勉強会では”匿名リアルタイムQ&A投稿”というスタイルも定着しました。これは、勉強会というアウトプットに対して、その場で参加者からの率直なフィードバックを受け取れるというもので、登壇者にとっても参加者の生の声を聴ける貴重な場となっています。

第3回勉強会の”見どころ”は?

さて、今回開催する第3回勉強会の見どころですが、第2回の流れを受け、今回もエンドユーザーをゲストにお迎えします。

今回はなんと、みずほ銀行から黒須 義一氏、ギットハブ・ジャパンから出木谷 佳彦氏をお招きしました!

金融業界では、ブロックチェーンに代表されるいわゆるFintechが非常に注目されていますが、一方でコンプライアンスやセキュリティに非常にセンシティブな業界でもあります。

メガバンクであるみずほ銀行がどのようにクラウドを活用しているのか、皆さんも非常に興味の湧くトピックでしょう。黒須氏の講演「<みずほ>におけるクラウド利活用 導入から活用へ」では、同行におけるクラウドの導入/活用についてお話いただく予定です。

一方、出木谷氏には「ハイブリッド・クラウド時代の開発基盤:GitHub 概要と導入事例」と題し、ハイブリッドクラウド時代の開発をどのように進めていけばよいのか、ケーススタディを交えてご紹介いただきます。

これまでの勉強会はインフラ寄りな内容が多かったかもしれませんが、今回は開発者の方にとっても興味深い内容になること請け合いです。

金融業界におけるクラウド活用の現状

みずほ銀行の取り組みについては、ぜひ勉強会でリアルな実態を直接、感じていただきたいのですが、ここで予習の意味も込め、金融業界全体のクラウド活用の現状をご紹介しておきましょう。

総務省が公開している「平成30年版 情報通信白書」の統計情報を読み解くと、金融業界においてはプライベートクラウドの採用が増加傾向にあるという結果が出ています。

その背景には、データ機密性や情報漏洩のリスクを考慮して、データをオンプレミス側で保持するケースが多いことがあると思われます。

パブリッククラウド利用に関しても、基幹システムや勘定システムといった業務の根幹を成す部分はオンプレミス環境で安定稼働を維持しつつ、新規プロジェクトや新サービス立ち上げにフォーカスして採用されるケースが多いようです。

ハイブリッドクラウドガイドラインにおいても、上記ケースに類似した以下のユースケースを取り上げているので、そちらもぜひご一読ください。

  • 6.2 機密データをオンプレミスに配置しパブリッククラウドとシームレスに連携
  • 6.4 高速な金融取引のためのハイブリッド構成

Azureを活用した金融業界のサービス事例

では、金融業界でクラウドを活用している例として、Azureの活用例をご紹介しましょう。

例えば、セブン銀行では、クラウドの持つスピードとスケーラビリティという特徴を生かしたスモールスタートでの新サービスを展開しています。

また、第一生命では、同社が提供する健康応援アプリ「健康第一」の稼働基盤に採用している「Microsoft Azure」を活用し、AIによるエイジング/ダイエットシミュレーションや、スマートフォンやウェアラブルデバイスを利用した健康活動のトレース機能などを提供しています。

そのほか、業務効率化に向け、Azure上で業務用問い合わせチャットボットを稼働させるSMBCグループや、Azureを基盤としたインターネットバンキングサービス「北國クラウド」を展開する北國銀行など、クラウドの活用はさまざまなシーンで進んでいます。

一方、Azureを提供するMicrosoftでは、「クラウド採用の手引き」と題し、業種別のガイダンスを提供しています。

そのなかの1つとして提供される、金融サービスにフォーカスしたガイダンスでは「FISC安全対策基準」などの法規制に対する指針などが記載されています。また、ガイダンスとは別にFISC(FISC:The Center for Financial Industry Information Systems)に対するAzureの対応状況リストなども存在しています。

* * *

今回はAzureを例に紹介しましたが、金融サービスのクラウド活用に向け、クラウドベンダー各社は積極的に取り組んでいます。こうした潮流を踏まえた上で、第3回勉強会でリアルな体験談を聞いていただけば、さらに理解が深まるはずです。

ハイブリッドクラウド研究会(HCCJP) 第3回勉強会

・開催日時:3月7日(木) 14:00~
・開催場所:日本マイクロソフト 品川オフィス

著者紹介

株式会社ネットワールド
Microsoft ソリューション プリセールスエンジニア
津久井 智浩(つくい ともひろ)

ソリューションディストリビューターであるネットワールドの一員として、お客様に付加価値を提供するというミッションの下、Microsoft製品を中心にオンプレミスからクラウドまで幅広く提案~導入を担当。
趣味はバイク。昼散歩が日課。最近は自分よりもカミさんの働き方改革を何とかしたいと苦悩し、マインクラフトを通して子供と一緒にプログラミングを学びたいと願う40代。3児(2女、1男)の父。