クリップボードにコピーする clip

WindowsはGUIを主な操作インターフェースとして利用する。このため、CUIであるWindowsコマンドとGUIアプリケーションの架け橋をするコマンドが必要になる。

そういったコマンドの一つにclipがある。clipはコマンドの出力をWindowsクリップボードにコピーするコマンド。clipコマンドを利用すればコマンドの出力をそのままほかのアプリケーションで貼り付けることができるようになる。

例えばコマンドの出力をワープロアプリケーションやエディタにコピーしようとした場合、コマンドを使わない方法であればコマンドプロンプトのコピー機能を使うことになる。マウスでコピーする範囲を選択し、メニューからコピーを選択するという作業が発生する。

対してclipコマンドを使うと、そういった操作を行うことなく、コマンドの出力をWindowsクリップボードにコピーすることができる。覚えておくと便利なコマンドだ。

clipコマンドの実行サンプル

コマンドの出力をWindowsクリップボードにコピーしてみる。

例としてdirコマンドの出力をclipコマンドでコピーする。コピーする場合にはコマンドをパイプライン(|)に接続し、そのままclipコマンドにつなげる。こうすることでコマンドの出力をclipを通じてWindowsクリップボードにコピーすることができる。

コマンド出力をWindowsクリップボードにコピーする方法

コマンド | clip

dirコマンドの出力をclipコマンドを使ってWindowsクリップボードへコピー

まずはメモ帳に貼り付けてみるとよいだろう。

メモ帳を起動

メニューから貼り付けを選択

dirコマンドの出力結果が貼り付けられる

clipコマンドは次のようにテキストファイルの中身をそのまま貼り付けることもできる。リダイレクトで直接テキストファイルの中身をclipコマンドに渡すと、そのままWindowsクリップボードにコピーされることになる。

テキストファイルの中身をWindowsクリップボードにコピーする方法

clip < テキストファイルパス

まず、テキストファイルを用意し中身を確認する。

テキストファイルの中身はmoreコマンドで確認できる

テキストファイルの中身

次に、clipコマンドを使ってテキストファイルの中身をWindowsクリップボードへコピーする。

clipコマンドを使ってテキストファイルの中身をコピー

メモ帳を起動して貼り付けを実施すると、テキストファイルの中身がコピーされていることを確認できる。

メモ帳を起動

メニューから貼り付けを選択

テキストファイルの中身が貼り付けられる

このようにclipコマンドを利用することで簡単にコマンドの出力やテキストファイルの中身をWindowsクリップボードへコピーすることができる。GUIアプリケーションとCUIコマンドの間でデータをやり取りする便利な方法だ。

clipコマンドはオプションもなく、利用方法も簡単だ。ぜひ覚えておきたいコマンドである。

参考資料