日本マイクロソフト
セキュリティレスポンスチーム
セキュリティプログラムマネージャー
ゆりか先生(村木 由梨香)

PC から離れる時、他人に操作されたり、覗かれたりしないように、画面ロックを設定する人も多いでしょう。ただ、スタートメニューからロックをかけ忘れてしまいがちですし、「Winキー+Lキー」によるロックのショートカットが面倒という人もいるでしょう。

こうしたロック忘れを防ぐために、最後の操作から一定時間が経過するとロックがかかる設定を企業で一律に求めるケースがあります。でもこれもまたやや厄介で、スクリーンの前にいるにも関わらず、一定時間操作がないためにロックがかかってしまい、イライラしてしまうという経験がある方も少なくないでしょう。

今回のCreators Updateでは、こうした諸問題を解決し、スマートフォンなどのモバイルデバイスと連動した新しいロック機能「動的ロック (Dynamic Lock)」が追加されています。

動的ロックは、PCから離れるとおよそ1分後に、自動で画面ロックがかかります。その仕組みは「Blueetooth」を用いており、ユーザーが所有しているスマートフォンとペアリングすることで実現しています。

設定は簡単で、スマートフォンとBluetoothをあらかじめペアリングしておき、アカウント設定の「動的ロック」の項目にチェックを入れるだけです。Bluetoothの電波強度を測って、ユーザーが離れたとPCが判断した瞬間にロックがかかります。

なお現時点ではスマートフォンを持ってPCに近付いた際に、自動的にロックを解除する機能はありません。もちろん、モバイルデバイスを持っていなくてもロック解除が可能です。

組織での管理方法は?

Creators Updateでポリシー設定が追加されていますので、グループ ポリシーやSystem Center Configuration Manager、MDMで組織的な設定管理が行えます。

「セキュリティは重要」と理解していても、使い勝手が悪いと敬遠してしまいがちです。また、使い勝手の良さは人それぞれという側面もあります。これまで、画面ロックという機能は一定時間が経過するか、手動によるロックがスタンダードでした。Creators Updateで追加された新たな選択肢を用いることで、企業はより柔軟にセキュリティ管理が行えるようになります。