そろそろ、管理に必要になるレベルのlsコマンドの知識はひととおり説明できたのではないかと思う。今回は、知っておくと便利な出力の整列に関するオプションと、表示の単位に関するオプションを取り上げる。この辺りのオプションはOSごとに異なるものも多いのだが、いくつかは共通するものもあり、覚えておくと便利だ。

ファイルサイズの大きい順に出力させるオプション「-S」

ディスクスペースが足りなくなってきた時など、不要かつサイズが大きいファイルを削除するために「ファイルサイズが大きなファイルを探したい」と思うことは少なくない。

そうした場合は、詳細情報とともにファイルやディレクトリを一覧表示するオプション「-l」にさらにオプション「-S」を指定すると、サイズの大きなファイルから表示することができる。

オプション「-S」を指定すると、サイズの大きなファイルから表示される

ファイルサイズの小さい順に表示させるオプション、「-S」と「-r」

-Sオプションに-rオプションを組み合わせると、今度はファイルサイズの小さいほうから順に表示される。

-Sオプションに-rオプションを組み合わせると、ファイルサイズの小さいほうから表示される

「-r」は「reverse(逆転)」を意味しており、データを並び替えるコマンド「sort」でも同じオプションが用意されている。「-r」は逆順に何かを並べるときなどに使われることが多いオプションなので、覚えておくと良いだろう。

ファイルサイズを人間向けに表示するオプション「-h」

「ls -l」で表示されるファイルサイズはバイトで表されるが、ファイルサイズが大きいものは数値が大きくなりすぎてわかりづらい。そこでオプションに「-h」を指定すると、人間が理解しやすいように「K」、「M」、「G」といった単位を使った表記で出力されるようになる。

「-S」でファイルサイズの大きい順に並び替え、さらに「-h」を指定すると見やすい表示になる

「-h」の意味は、「human-readable(人にとって読みやすい)」といったところだ。-hは、使い方を表示するためのオプションとしてよく使われているが、サイズを表示するタイプのコマンドではhuman-readableの目的で使われることも多い。「-r」と合わせて覚えておきたいオプションだ。

最近変更されたファイル順に表示させるオプション「-t」

ファイルサイズ順の表示とともによく使われるのが、最終更新日時順に表示させるオプションだ。ファイルの更新によって挙動が変わるケースは多いので、原因となったファイルを探すといった目的で利用することになる。

最近変更されたファイル順に表示させるオプション「-t」

時刻に関しては、最終アクセス時間を表示するオプションなどもあるのだが、それらのオプションはOSごとに異なるので、とりあえず「-t」を覚えておいて、それ以外の方法で整列させる必要に迫られたら、その都度オンラインマニュアルで調べればよいだろう。

変更が古いファイルから順に表示させるオプション、「-t」と「-r」

「-S -r」でファイルサイズの小さい順から表示させられたのと同じように、「-t」と「-r」を指定すれば、ファイルが変更された日時が古い順から表示させることができる。

「-t」と「-r」を組み合わせれば、ファイルが変更された日時が古い順から表示させることができる

今回のおさらい

今回のおさらいは、次のとおりだ。

  • ls -Sでファイルサイズの大きい順に表示
  • ls -Srでファイルサイズの小さい順に表示
  • ls -tで最終更新日時の新しい順に表示
  • ls -trで最終更新日時の古い順に表示
  • ls -lhでファイルサイズを「K」、「M」、「G」などの単位付きで表示

lsコマンドはオプションが多いうえに、OSごとに異なるオプションが設けられていることで知られている。ただし、基本的なオプションはどのOSでもほとんど同じだ。今回紹介した「-S」、「-Sr」、「-t」、「-tr」、「-lh」の5つは、LinuxでもMac OS Xでも*BSDでも共通で使えるので、覚えておいて損はないだろう。