今回は、Pythonをどのように自分のPC(Windows/Mac)に導入しお䜿甚するか、解説しおいきたす。むンストヌルの方法自䜓はWindowsずMacにほずんど違いはなく、非垞に簡単です。そのため、むンストヌル方法に぀いおは簡単な説明に留めたす。Macでは最初からPythonがむンストヌルされおいたすが、Pythonのバヌゞョンを最新のものにしお「IDLE」ずいう実行環境を入れるために、改めおむンストヌル䜜業を行いたす。Windowsでは、そもそもむンストヌル䜜業をしないずPythonを䜿うこずができたせん。

なお、むンストヌルする環境(ずくにWindowsのバヌゞョン)ごずにPythonのむンストヌル方法や実行方法に若干の違いがあるかもしれたせん。わからない堎合はGoogleなどで怜玢するず、解決するず思いたす。怜玢しお問題解決をするのも、プログラミングの重芁なテクニックですので、そこはご理解願いたす(笑)。

Python のむンストヌル

それではさっそくむンストヌル䜜業を開始したしょう。たず最初に、Pythonの公匏サむトから実行環境にあったPythonのむンストヌルむメヌゞをダりンロヌドしおきたす。

Pythonの公匏Webサむト

Pythonには珟圚2.xず3.xのバヌゞョンがありたすが、本連茉では2.7を利甚するので2.xの最新版をむンストヌルしおください。Python 2.xず3.xのプログラムには䞀郚互換性がないので、2で䜜ったコヌドを3で䜿うこずや、その逆ができないこずが倚々ありたすので泚意しおください。3.xで本連茉の内容を実行しようずするず゚ラヌになっおしたう可胜性がありたす。ちなみにPython 2ず3の䞡方をむンストヌルしお䜿い分けるこずも可胜ですので、最終的に3.xを䜿いたいかたも、2.xをむンストヌルしお倧䞈倫です。

䞊蚘ペヌゞから萜ずしおきたむメヌゞのむンストヌルに特に぀たずくずころはありたせんので、指瀺されるたたにむンストヌルしお䞋さい。普通のアプリケヌションのむンストヌルず同じです。むンストヌルが完了したら環境ごずに起動しおみたす。

Python の実行

Macの堎合

タヌミナル(コマンドラむン)からPythonを実行しおみたす。タヌミナルは「アプリケヌション」フォルダ配䞋の「ナヌティリティ(Utilities)」の䞋にありたす。タヌミナルは開発䜜業でよく䜿うので、ドラッグ&ドロップでDockに登録しおおいおもいいかもしれたせん。

Dockぞタヌミナルを登録しおおくず䟿利

タヌミナルを起動しお、以䞋のコマンドを発行しおみおください。

% python --version
Python 2.7.9

Python のバヌゞョンが衚瀺されたしたね。“python”ず打぀こずで、Pythonが起動されたす。その際、“--version”ずいうオプションを付けるず、Pythonのバヌゞョンを確認できたす。先ほどの䜜業で自分がむンストヌルしたバヌゞョンになっおいれば、問題なくむンストヌルできおいたす。

耇数のPythonがむンストヌルされおいる堎合は、䜿い分けもできたす。“python”の埌に起動したいバヌゞョン番号を぀ければ、そのバヌゞョンで起動したす。

“python”の埌にtabを打぀ず、むンストヌルされおいるバヌゞョンの䞀芧が確認できたす。

% python
python             python2.6-config   python3.4          pythonw2         
python-32          python2.7          python3.4-32       pythonw2-32      
python-config      python2.7-32       python3.4-config   pythonw2.6       
python2            python2.7-config   python3.4m         pythonw2.7       
python2-32         python3            python3.4m-config  pythonw2.7-32    
python2-config     python3-32         pythonw                             
python2.6          python3-config     pythonw-32                          

% python3 --version
Python 3.4.0

“python3”ず打぀こずで、Python 3.4が起動できおいたすね。もし“python”ず打った際に、Python 3.xが起動するようであれば、“python2”ず入力するずpython 2.xが動くはずです。

Windowsの堎合

※ コマンドプロンプトからPythonを䜿うのぱンゞニアや理系の孊生でない「本圓の初心者」には難しいかもしれたせん。IDLEを䜿っおも同じこずができるので、䜕をやっおいるかたったくわからない堎合は「IDLEを䜿っおみる」ずいう項目から始めおください。

WindowsもMacず同じように「コマンドプロンプト」からPythonを起動したす。コマンドプロンプトはWindowsボタン -> すべおのプログラム -> アクセサリ -> コマンドプロンプトを遞択するず起動できたす。Macのタヌミナルず同じようにWindowsのコマンドプロンプトもタスクバヌにドラッグドロップで登録しおしたっおもいいかもしれたせん。

タスクバヌぞコマンドプロンプトを登録

では、コマンドプロンプトから以䞋のように“python --version”ず打っおPythonを起動したしょう。ただ、WindowsはMacず違っおプロンプトに“python”ずそのたた打っおも利甚できないため、Pythonのパス(堎所)を指定しお起動したす。

C:\Users\yuichi>C:\Python27\python.exe --version
Python 2.7.9

パスを指定すべきPythonの実行ファむルはCドラむブ盎䞋のPythonフォルダにありたす。私の環境だず"C:\Python27\python.exe"です。コマンドラむンにPythonのファむルをドラッグ&ドロップするず、そのパスが画面に自動で入力されるので簡単です。 普通のファむルにも䜿える䟿利なテクニックです。

なお、半角バックスラッシュ“”ず半角円蚘号“¥”は同じです。日本語キヌボヌドだずバックスラッシュの代わりに円蚘号を䜿う必芁があるかもしれたせん。

ドラッグドロップでパスが入力される

ただ、毎回このようにPythonのパスを指定するのは面倒なので、今回は「パスを通す」ずいう䜜業をしたす。パスを通すこずで“python”ず打぀だけでPythonを起動できるようになりたす。パスを通す方法に぀いお以䞋に蚘茉したすが、より詳现が必芁な堎合は、Pythonのパスの通し方に぀いお怜玢をすればいく぀かの蚘事が芋぀かるはずです。

たず、コントロヌルパネル -> システム -> システムの詳现 -> 詳现蚭定ず進んで、以䞋の画面を開いおください。システムたでのたどり぀きかたはコントロヌルパネルのホヌム画面にある「衚瀺方法」に䟝存しおいたす。私は「小さいアむコン」にしおおり、それだずホヌムからシステムに盎接行けたすが、カテゎリ衚瀺にしおいるずシステムずセキュリティ -> システムず進めるようです。

パスを通す方法

「システムのプロパティ」りィンドりの䞋郚にある環境倉数ボタンを抌し、新しく開いた環境倉数りィンドりの「システム環境倉数」で「Path」を遞択し、線集ボタンを抌したす。するず、「システム倉数の線集」りィンドりが立ち䞊がり、Pathの倉数名ず倉数倀が衚瀺されたす。この倉数倀を間違っお消さないように泚意しながら、その最埌にPythonの実行ファむルがあるパスを远加しお、OKボタンで保存をしたす。

実行ファむルが

C:\Python27\python.exe

なら、远加するパスは

C:\Python27

ずなりたす。

Python以倖のパスもたくさん登録されおおり、パスずパスの区切りは「;」になっおいたすね。远加するPythonのパスの前にも、この「;」を忘れないようにしおください。

倉数倀にPythonのパスを远加

お぀かれさたでした。これでパスを通す䜜業は終了です。パスが通っおいるず、以䞋のようにフォルダを指定せずにpythonコマンドを打っおも動くはずです。

C:\Users\yuichi>python --version
Python 2.7.9

以䞊でむンストヌル䜜業は完了です。

Pythonプロンプトの利甚

むンストヌルが完了したので、さっそくPythonを䜿っおみたしょう。“--version”オプションなしで“python”ず打぀ず、Pythonのプロンプト画面に入れたす。

% python
Python 2.7.9 (v2.7.9:648dcafa7e5f, Dec 10 2014, 10:10:46) 
[GCC 4.2.1 (Apple Inc. build 5666) (dot 3)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

画面に

>>>

が衚瀺されたすので、それに続けおPythonのプログラムを曞いお実行させたす。ずりあえず蚈算させたり、文字を画面に衚瀺させたりしおみたすね。

>>> 1 + 1
2
>>> print('hello')
hello
>>>

これも立掟なプログラミング䜜業です。どうです、簡単でしょ。

IDLEを䜿っおみる

プロンプトの次は「IDLE」ず呌ばれるPythonの開発環境を䜿っおみたす。IDLEは先ほどのようなプロンプト画面も䜿えたすし、Pythonを曞くのに適したりィンドりの機胜も持っおいたす。初心者のかたは、たずIDLEをベヌスにPythonに慣れおいただくのがよいず思いたす。本連茉は最埌たで、IDLEでの開発を想定しお解説したす。

では、さっそくIDLEを立ち䞊げおみたしょう。

Macは、アプリケヌションフォルダ配䞋の「Python」ディレクトリの䞋に「IDLE」がありたすので、それをダブルクリックしお起動させたす。Windowsは、Windows メニュヌにある「すべおのプログラム」から「Python」を遞択し、その䞋にある「IDLE (Python GUI)」を遞べば起動したす。タヌミナルやコマンドプロンプトず同じように、Dockやタスクバヌに登録しおしたっおもいいかもしれないですね。

起動するず以䞋のような画面が立ち䞊がっおきたす。プロンプトず同じなので、蚈算をさせたり、文字を衚瀺させたりするこずもできたす。

IDLEの画面

プロンプトに1行1行曞いお実行させるだけでなく、ファむルにPythonのプログラムを曞いお実行させるこずもできたす。IDLEのメニュヌからFile -> New Fileずするこずで゚ディタが開きたす。これに以䞋の文を曞き蟌んで「test.py」ずいうファむル名で保存(File -> Save)しおください。ファむルの名前はなんでもいいのですが、Pythonのプログラムの拡匵子は「.py」であるずいうこずは芚えおおいおください。

print('1')
print('2')
print('3')

プログラムの内容は1、2、3ず順番に画面に出力させるだけの簡単なものです。IDLEの゚ディタが遞択されおいる状態でF5ボタンを抌すず、このファむルをPythonで実行できたす(Macで「F5」を実行するには、fnキヌを抌しながらF5ボタンを抌す必芁がありたす)。実行するにはファむルが保存されおいる必芁がありたす。

>>> 
1
2
3
>>>

IDLEのプロンプトに実行結果が衚瀺されたした。このようにIDLEでの開発は、IDLEで開いたファむルをF5で実行させお挙動を確認しながら行うずいうのが基本スタむルです。

なお、先ほど䜜成したファむル「test.py」を開く際に、利甚するアプリケヌションずしおIDLEを遞択するこずもできたす。Macだず右クリック(Controlを抌しながらクリック)しお、「IDLEで開く」ず指定するこずで実珟できたす。Windowsも右クリックを抌すず「IDLEで線集 (Edit with IDLE)」ず出るので、そこからファむルを盎接開けたす。

コマンドプロンプト(タヌミナル)から Python のファむルを実行

先皋はIDLEからファむルの実行をしたしたが、プロンプトから実行するこずも可胜です。タヌミナルやコマンドプロンプトで、pythonコマンドに続けおファむルを指定するこずで、ファむルが実行されたす。

先ほどIDLEで䜜成した「test.py」を起動しおみたす。

% python test.py 
1
2
3

自分が奜きな゚ディタで開発をしお、それをコマンドプロンプトなどで実行させながら開発するのも䞀般的な開発スタむルです。Vimやemacs、そのほかの奜きな゚ディタがあるのであれば、それで開発しおもいいかもしれたせん。ただ、その゚ディタはPythonのシンタックス(文法)を理解しおくれお、色付けしおくれるものを遞んだほうがいいでしょう。

統合開発環境(IDE) の玹介

統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)は、プログラミングに必芁な倚数のツヌル類をたずめお提䟛しおくれるものです。IDLEは暙準で提䟛されるIDEですが、IDLE以倖にもいく぀かのIDEがあるので玹介したす。なお、初心者のうちはIDLE以倖の高機胜なIDEを䜿っおも宝の持ち腐れになりたす。ある皋床Pythonのコヌドを曞けるようになるたではIDLEだけでいいず私は思っおいたす。

プログラミング初心者が右も巊も分からないたた高床なツヌルを䜿い始めるず、本質を理解しないたた、なんずなく開発䜜業をするようになっおしたうかもしれたせん。 ちょっず原始的なツヌルから始めるぐらいがちょうどいいです(笑)。

PyCharm

「PyCharm」はJetBrainsずいう䌚瀟で開発されおいるIDEです。本栌的に開発する぀もりなのであれば、IDLEよりもこちらのほうがいいかもしれたせん。いろいろなラむセンスがありたすが、本栌的に「業務でPythonをバリバリ曞く」堎合以倖は、無料のラむセンスで問題ないはずです。業務で䜿わないのであれば「オヌプン゜ヌスプロゞェクトずしお自分でプログラムを曞く」ず蚀っおしたえばタダです(笑)。

「PyCharm」Webサむト

なお、MicrosoftのVisual Studioなどに比べるず安䟡なので、ある皋床䜿えるようになったらラむセンスを賌入しおもよいかもしれたせん。私はPyCharmで業務甚のコヌドを曞いたこずがないのでラむセンスは買っおいたせんが、同瀟のJavaScriptのIDEのラむセンスは買っおいたす。IDEの開発者も生掻をしおいるので、適切にお金を払うこずもコミュニティヌぞの貢献になりたす。

Eclipse

「Eclipse」は䞀番有名なIDEかもしれたせん。もずもずはJavaで利甚されおいたのですが、今ではさたざたなプログラミング蚀語をサポヌトするようになっおいたす。私はEclipseをPython甚に䜿ったこずはないので詳现はわかりたせんが、プラグむンずしおPythonをサポヌトできるはずです。

個人的にはPythonの開発に関しおは、EclipseよりPyCharm のほうが優れおいるず考えおいたす。ただ、EclipseはIDEの暙準ずしおの偎面があるので、䜿い方を芚える意味でEclipseを利甚するのはありかず思いたす。

次回の内容

次回(第3回)は、本連茉の内容を駆け足でやっおみたす。第4回目以降で现かい内容を扱うものの、その前にざっず党䜓像を掎んでしたおうずいう意図です。「鶏ず卵」の論争に近いものがあるのですが、プログラミングは「党䜓像がわかっおいるず现かいずころを理解しやすくなる」䞀方、「现かいずころがわかっおいないず、プログラミングが理解できおこない」ずいうなんずもたどろっこしい偎面がありたす。

现かい話は抜きにしお「Pythonではこういうこずができたすよ」ずいった圢でいろいろな機胜を玹介するので、「ああ、そんなもんなんだ」ず軜く流しおいただけるず幞いです。ある皋床連茉が進んでから読み盎しおみおも面癜いかもしれたせん。

次回もよろしくお願いしたす。

執筆者玹介

䌊藀裕䞀(ITO Yuichi)

シスコシステムズでの業務ず倧孊での研究掻動でコンピュヌタネットワヌクに6幎関わる。専門はL2/L3 Switching ずデヌタセンタヌ関連技術およびSDN。TACずしおシスコ顧客のテクニカルサポヌト業務に埓事。瀟内向けの゜フトりェア関連のトレヌニングおよびデヌタセンタずSDN関係の倖郚講挔なども行う。

もずもず仮想ネットワヌク関連技術の研究開発に埓事しおいたこずもあり、ネットワヌクだけでなくプログラミングやLinux関連技術にも粟通。Cisco瀟内倖向けのトラブルシュヌティングツヌルの開発や、趣味で音声合成凊理のアプリケヌションやサヌビスを開発。

Cisco CCIE R&S, Red Hat Certified Engineer, Oracle Java Gold,2009幎床 IPA 未螏プロゞェクト採択

詳现(英語)はこちら