前回は、「請求応援Lite」の検索機能や個別集計機能を紹介した。今回は、さらにもう一歩踏み込み、入金や在庫の管理、販売戦略の立案などに役立つ機能を取り上げていこう。

チェックリストなどで入金状況を把握

販売管理の中でも、入金の管理は煩雑で、面倒な業務の1つである。たとえば、得意先の事情で指定期日を過ぎても入金が確認できない、といったイレギュラーな事態が発生することがある。。

代金の回収は、事業を継続するうえで切実な問題であり、常に注意を払う必要がある。売掛元帳や売掛残高一覧表でも入金の見込みは把握できるが、入金管理に特化した機能の方が管理帳票としては使いやすいだろう。

「請求応援Lite」には、請求管理チェック、請求明細チェックおよび請求残高一覧の機能があり、請求と入金を照合することができるので、万一、回収漏れがあってもすぐに対応することができるだろう。

請求管理チェック: 回収日が近づいたら、得意先ごとの請求残高と入金予定を確認しておく必要がある。請求管理チェックの機能では、得意先ごとの締日までの請求残高の一覧を印刷することができる。この表を基に得意先ごとの入金をチェックすればよい

請求明細チェック: 請求明細チェックの機能では、得意先ごとの請求明細を表示することができる。入金の内容が入力されている場合は、「今回入金額」に表示される

請求残高一覧: 請求残高一覧には、得意先ごとの請求残高が表示される入金の内容が入力されている場合は、入金方法別に一覧に表示される。最終的には、この表の上で過不足がある場合は、請求残高と入金をチェックし、適切に対処する必要がある

回収予定表: 回収予定表を表示すると、得意先ごとの回収予定を確認することができる。入金予定がかわれば資金繰り計画も立てやすいだろう

簡易な機能だが在庫管理も可能

販売管理業務で意外に煩雑なのが在庫の管理である。

商売をしていると、売ることに一生懸命になりがちである。受注したら、在庫を確認して得意先に発送するか、仕入先に発注するかをしなければならないが、この際、管理がずさんだと、現在庫がいくつになったかを把握できなくなってしまうことがある。実際の現場では、なかなか正確な在庫を把握するのが難しい。

最終的には、在庫は現物で管理しなければならないが、目安として在庫数が把握できた方が、納期の回答もしやすい。また、不足が予想される商品については先行発注することもできる。そんなときに役に立つのが、商品別入出庫設定である。

商品別入出庫設定: 単純に入庫数と過不足の調整を入力するだけであるが、売上の入力と連動して出庫数が記録されるため、ほぼ正確に在庫を把握できる。仕入管理の台帳や伝票類の機能はないが、入出庫が管理できるだけでも大いに役に立つ

出荷伝票やラベル・送り状も印刷可能、領収書も発行できる

請求書や売上伝票以外にも、出荷伝票やラベル、送り状も印刷することができる。販売管理業務の全体の流れを細かいところまでカバーしている。

出荷伝票: 出荷伝票は、出荷する商品の倉出や梱包のための準備などに使用する。出荷物に同梱することにより、納入物の内容の確認等に活用できる。出荷伝票には、商品の名称と個数のみで金額は印刷されない

ラベル: 請求書を郵送したりする場合などに使用できるラベルを印刷することができる。ラベルは2列×6行で印刷される

領収書: 現金販売などで領収書が必要な場合は、領収書を別途作成することができる

商品動向グラフで商品の売上動向を把握、ABC分析機能も搭載

販売管理では、商品の売上状況を把握し、今後の商品展開などの資料を作成することも必要だ。「請求応援Lite」には、登録した売上データを基に分析を行う機能もある。

商品動向グラフ: 商品動向グラフは、商品の月別売上を折れ線グラフと表で表示することができる。表示の単位としては、売上、個数、粗利を選択することができる。商品ごとに単純に売上動向をグラフ化しているため、とてもわかりやすい

ABC分析: ABC分析は、統計的なデータの分析方法として有名な手法で、売上に占める各商品の重要度を分析することができる

「財務応援」とのデータ連動が可能

「請求応援Lite」の売上データおよび入金データは、同シリーズの「財務応援」の仕訳データとして取り込むことができる。販売管理の売上データと入金データは、会計データの売掛金の仕訳に直接関与しているので、連動していると便利である。また、「財務応援」の仕訳データから入金のデータを取り込むことも可能だ。

「請求応援Lite」の台帳や伝票の入力項目と「財務応援」の勘定科目を対応させることができるので、売上データや入金データは、正確に仕訳に反映することができる。売掛金や売上の補助科目と得意先を連動させることもできる。

意外に便利な簡易スケジュール管理機能

「請求応援Lite」には、ごく簡易ではあるが、スケジュール管理の機能もある。内容は単純で、カレンダーで日付を指定して予定を登録しておくと、スケジュール表示画面にその内容が表示されるというものだ。いまどきの本格的なスケジュール管理ソフトには及ばないが、ソフトを操作しながら予定をいつでも確認できるので、便利だ。

スケジュール1: 予定を登録する日付をクリックして内容を入力するだけの簡単操作

スケジュール2: 本日(「F12」キー)をクリックすると、その日に登録されている予定の内容が表示される

他ソフトの起動やWebアクセスもボタン1つ

「お気に入り」メニューをクリックすると、ユーザーが登録した機能を一発で呼び出せるリストを表示できる。「お気に入り」には、「請求応援Lite」の機能以外にも他のソフトを起動するショートカットやホームページへのリンクも登録可能だ。

お気に入り: お気に入りを表示すると、「請求応援Q&A」や「ユーザーサポート」などにインターネットで接続できるボタンも表示される。お気に入りに登録されたメニューの順序は、ドラッグで変更可能

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以上、今回まで4回にわたり「請求応援Lite」の主要機能について紹介してきた。同ソフトが、請求書の発行のみならず、販売管理にまつわるさまざまな業務の効率化を推し進めてくれることがおわかりいただけただろう。

次回からは、同じくエプソン応援シリーズの給与計算ソフト「給与応援Lite」を4回にわたり紹介していく。なお、エプソン応援シリーズでは、ほとんどの機能を実際に試せる無料体験版が用意されている(3ヶ月間利用可能)。こちらのサイトから、ワンクリックでダウンロードできるので、興味のある方はぜひ試してほしい。