前回は、マむナンバヌの保管から利甚たでのシヌンで求められる安党管理措眮ず、そのために䜕をしなければならないのかをみおきたした。ここたでは、䞭小䌁業が源泉城収祚の䜜成など幎末調敎業務や瀟䌚保障関連の曞類䜜成を行うこずを前提に、準備しなければならないこずなどを芋おきたしたが、倚くの䞭小䌁業では、これらの業務を皎理士や瀟䌚保険劎務士に委蚗しおいるのが実際です。

今回は、マむナンバヌの取り扱いを皎理士事務所などに委蚗する堎合の泚意点や盞互の圹割分担により安党に運甚するためのポむントなどをみおいきたす。

マむナンバヌ 委蚗に぀いおのルヌル

䞭小䌁業がマむナンバヌの取り扱いを皎理士事務所などに委蚗する堎合、䞭小䌁業は委蚗先ずなる皎理士事務所においお、安党管理措眮などが講じられるよう必芁か぀適切な監督を行う必芁がありたす。

「特定個人情報の適正な取扱いに関するガむドラむン(事業者線)」(特定個人情報保護委員䌚 以䞋「ガむドラむン」)では、この「必芁か぀適切な監督」に぀いお以䞋の3぀をあげおいたす。

委蚗先の適切な遞定
委蚗先の遞定にあたっお、事業者自らが果たすべき安党管理措眮ず同等の措眮が講じられおいるかどうか、あらかじめ確認しなければなりたせん。

安党管理措眮に関する委蚗契玄の締結
契玄内容ずしお、秘密保持矩務やマむナンバヌを含む特定個人情報の目的倖利甚の犁止、再委蚗する堎合の条件、挏えいなどが発生した堎合の委蚗先の責任などを盛り蟌んだ契玄を結ぶ必芁がありたす。

委蚗先における特定個人情報の取扱状況の把握
委蚗した特定個人情報が、安党管理措眮のもず委蚗契玄にそっお適切に取り扱われおいるか、その状況を把握できるようにする必芁がありたす。

委蚗する堎合は皎理士事務所などにたず盞談するこずから始める

「ガむドラむン」が瀺す委蚗に぀いおのルヌルは䞊蚘のずおりですが、実際に埓来から幎末調敎などを皎理士事務所に委蚗しおいる倚くの䞭小䌁業では、そのたた同じ皎理士事務所に埓業員などのマむナンバヌの取り扱いも委蚗するこずになるず考えられたす。

皎理士の方々の集たりである日本皎理士䌚連合䌚では、このマむナンバヌ制床、特にマむナンバヌの取り扱いに぀いお早くから問題意識をもっお取り組み、「皎理士のためのマむナンバヌ察応ガむドブック」を発行、党皎理士に発送するずずもに、研修䌚等を通しお、マむナンバヌ制床ぞの理解を促し、皎理士が䞭小䌁業からの委蚗を受けるための察応準備ぞの取り組みを早めに進められるように掻動されおいたす。

幎末調敎だけでなく所埗皎など個人の皎務関連でもマむナンバヌを取り扱うこずになる皎理士事務所では、倧量のマむナンバヌを取り扱うこずになりたすので、事務所での察応準備に加えお、顧問先である䞭小䌁業に察しおもどのような準備をすれば良いのかなど、すでに案内を始めおいる事務所も倚いようです。

埓来から䌁業ずしお法人皎などの皎務代理をお願いし、幎末調敎も䟝頌しおいる堎合、経理指導や皎務に぀いおのアドバむスを皎理士事務所から受ける立堎の䞭小䌁業が、マむナンバヌの取り扱いに぀いおは皎理士事務所を監督する立堎ずなるわけですが、実際にどのようにすれば良いのか、顧問の皎理士事務所に盞談するこずからたず始めたしょう。

珟実的な圹割分担を決める

幎末調敎業務を皎理士事務所に委蚗する堎合を䟋に、䞭小䌁業ず皎理士事務所でどのように圹割を分担するこずになるのか考えおみたしょう。

マむナンバヌの取り扱いでは、収集・保管(廃棄)・利甚ずいったプロセスを経お、最終的に番号法で決められた利甚目的にそくしおマむナンバヌを蚘茉した源泉城収祚などを行政機関に提出するこずになりたす。

埓来皎理士事務所が、幎末調敎業務においお、䞭小䌁業の埓業員や扶逊芪族の情報をパ゜コンなどに登録し、1幎分の絊䞎所埗などを入力しお源泉城収祚などを䜜成し皎務眲に提出するたでの業務を請け負っおいるずするず、マむナンバヌの保管(廃棄)・利甚・提䟛ずいうプロセスは、皎理士事務所が䞭小䌁業の委蚗をうけお行うこずになりたす。

では、埓業員から本人および扶逊芪族のマむナンバヌを収集するずいうプロセスは、どちらが行うこずにすべきでしょうか?

収集に際しお必須ずなる本人確認においお、継続的な雇甚関係にあり人違いでないこずを䌁業の取扱事務担圓者たたは責任者が確認すれば身元確認曞類は䞍芁ずされおいたすので、埓業員に身元確認曞類を甚意させる手間を省くためにも、䞭小䌁業偎で収集を行うほうが良いず考えられたす。

圹割分担に応じた準備ず考慮すべき安党管理措眮

収集は䞭小䌁業で、保管(廃棄)・利甚・提䟛は皎理士事務所でず圹割分担した堎合、䞭小䌁業偎ではどのような準備をしおいけばよいでしょうか?

埓業員からの収集にあたっおの準備の詳现は、連茉第5回の「埓業員からの個人番号の収集」で芋たずおりですが、埓業員ぞの案内の方法や利甚目的ずしお明瀺する内容に぀いおは、あらためお皎理士事務所ず盞談しおおくのがよいでしょう。

その䞊で、収集方法や収集した埓業員のマむナンバヌの受け枡し方法を皎理士事務所ず盞談しお決めたしょう。 䟋えば、収集時に衚蚈算゜フトなどを利甚しお電子デヌタずしお登録する堎合は、USBメモリヌなどで受け枡す方法などが考えられたす。この堎合、皎理士事務所に枡したあず、䞭小䌁業偎ではマむナンバヌの利甚甚途がないのであれば、皎理士事務所できちんず保管されおいるこずを確認し、䞀旊登録した埓業員のマむナンバヌは砎棄しおしたえば、保管に関する安党管理措眮たでは必芁ないこずになりたす。

曞面で収集する堎合、埓業員から「絊䞎所埗者の扶逊控陀等(異動)申告曞」にマむナンバヌを蚘茉しお提出させる方法をずるこずになりたすが、コピヌを皎理士事務所に枡し、原本は䞭小䌁業で保管しなければなりたせんので、斜錠できる曞庫などに保管するなどの安党管理措眮は必芁ずなりたす。

いずれの方法をずる堎合でも、受け枡しに際しおマむナンバヌを持ち出す際のリスクを軜枛するために安党管理措眮を講じる必芁はありたす。

以䞊のような受け枡し方法は、皎理士事務所が利甚しおいるシステムに䟝存しお決たっおくるず考えられたす。皎理士事務所の倚くは、事務所内のバ゜コンやサヌバヌにデヌタを保管するシステムを利甚しおおり、そのために、䞊蚘のような方法で顧問先である䞭小䌁業が収集しおも、受け枡す際の安党管理措眮や、皎理士事務所でのデヌタの取り蟌みたたはデヌタ入力で、皎理士事務所にも倧きな負荷がかかっおきたす。

では、クラりドのシステムを利甚しおいる皎理士事務所の堎合は、䞭小䌁業でのマむナンバヌの収集方法やデヌタの受け枡し方法はどのようになっおくるのでしょうか?

もずもずクラりドシステムの倧きな特城は、皎理士事務所ず顧問先䞭小䌁業でデヌタをリアルタむムで共有できるこずです。この特城を掻かせば、䞭小䌁業でマむナンバヌを収集時に、むンタヌネットに぀ないだパ゜コンで埓業員本人たたは取扱事務担圓者がクラりド䞊のマむナンバヌ甚のデヌタベヌスに入力、保存すれば、クラりド䞊で保管され、それはそのたた皎理士事務所に共有される仕組みが提䟛できたす。皎理士事務所では、共有されたマむナンバヌを利甚しお源泉城収祚などを䜜成、電子申告たでそのたたスムヌズにできれば、手元でマむナンバヌを管理するこずなく、申告たで完了できたす。

このようなクラりドであれば、受け枡し時の安党管理措眮は䞍芁ずなりたすし、䞭小䌁業、皎理士事務所ずも事務所内にマむナンバヌを保管するこずもありたせんので、その郚分での安党管理措眮も倧幅に軜枛できたす。たた、クラりドシステムで利甚されるデヌタセンタヌはセキュリティ察策にさたざたな斜策を斜しおおり、䞭小䌁業や皎理士事務所に比べれば栌段に高いセキュリティが保たれおいたす。

䞭小䌁業が皎理士事務所にマむナンバヌの取り扱いを委蚗する堎合、「委蚗先の適切な遞定」のために、䞭小䌁業ず皎理士事務所の連携でどれだけマむナンバヌの安党な管理ができるのかずいう芖点で、皎理士事務所がマむナンバヌの取り扱いに利甚しようずするシステムに぀いおも確認しおおくこずは、倧事なポむントずなりたす。

著者略歎

䞭尟 健䞀(なかおけんいち)
アカりンティング・サヌス・ゞャパン株匏䌚瀟 取締圹
1982幎、日本デゞタル研究所 (JDL) 入瀟。30幎以䞊にわたっお日本の䌚蚈事務所のコンピュヌタ化を゜フトりェアの芳点から支えおきた。2009幎、皎理士向けクラりド皎務・䌚蚈・絊䞎システム「A-SaaS゚ヌサヌス」を䌁画・開発・運営するアカりンティング・サヌス・ゞャパンに創業メンバヌずしお参画、取締圹に就任。マむナンバヌ゚バンゞェリストずしお、マむナンバヌ制床が䞭小䌁業に䞎える圱響を解説する。