7ヵ月ぶりの大連。実は今年はまだ1回もインドにも中国にも行ってなかった。7月13日の昼過ぎに代々木から高速バスに乗り、翌14日の午前便で関西国際空港から出発した。何でこんな面倒なルートを選択したのかというと……単純にマイレージの特典航空券で行くには成田からではマイルが足りなかっただけである。
大連ではダイエットなどできない
しかし大連、とにかくおいしい料理が多すぎて困る街である。ダイエットなどこの街ではできるわけがない。大連ならではの海鮮料理や東北料理、満族料理……とにかくうまい。日本人が描く中華料理のイメージがことごとく覆される。
チェンナイでは日本料理がメインの筆者であるが、大連で日本料理を食べている暇などない。正確に言うと、居酒屋には行っても高級日本料理屋には用事がない。魚なら日本料理屋より中華料理屋の方がおいしいからである。いや、これはあくまでも大連での話。
逆に言うと、大連の高級日本料理屋がヒドすぎるとも言える。「日本人経営、日本人料理人、日本人スタッフ」、料理の味以外のことを自慢しているような店には用事がない。まだ居酒屋なら大連在住日本人が夜な夜な通っている。出張者が通う店より在住者が通う店の方がうまいのは当たり前である。
大連の魚の料理は色々とあるが、現地の日本料理屋よりも中華料理屋で食べたほうがおいしい料理を何点か紹介しておこう。
伊勢海老、鮑、生きた海老、ウニ。日本料理屋でも星海広場の高級中華料理屋でも値段は同じくらい。おそらく素材も同じなのだろう。しかし客数が違う。圧倒的に中華料理屋の方が客が多い。だから新鮮さが違う。
これも中華料理
どうも原稿の書き出しを間違ったようだ。こんな事を書き始めたら仕事の話にはならない。編集部の了解を得たわけではないが(編集部注: 了解済みです……)、「大連のうまいもの話」をこのまま続けよう。
中華料理は「煮る、焼く、炒める、蒸す」と言われる。「生」はないのである。しかし「生」、大連ではこれも中華である。
最初に驚いた料理がこれだ。
キクラゲをもどして氷の上で冷やし、ワサビ醤油でいただく。それだけである。いずれ日本の本ワサビを持ち込んでいただきたいものである。
満族料理と東北料理
大連料理はもっとたくさんあるのだが、写真が見当たらない。ついでに2品ほど。これは満族料理で、鶏のから揚げとお茶のセット。
お茶を飲みながらから揚げをいただく。お茶が油を分解するのか、いくらでも食べられる。茄子の料理も何回かいただいたが、これも写真が見当たらない。
東北料理では干し鯖の料理。干し鯖と干した大根を蒸して、果肉に乗せて熱い油をかけた料理である。
他に東北地方の田舎料理としては、白菜と家常豆腐の料理をよくいただく。
大連ならではの餃子
餃子、日本では焼き餃子が主流であるが、中国では餃子といえば水(蒸し)餃子である。これは黒酢でいただく。
南の地方では豚肉も使うのだろうが、西安とか内陸部になると羊がメインとなる。西安の餃子屋さんに行ったことがあるが、そこには100種類ほどの餃子があった。
しかし、ここは海鮮の本場 大連である。やはり魚水餃子だろう。その中でも筆者が一番好きなのは鯖の水餃子だ。
雲南料理ですが
実は筆者が一番好きな料理は雲南料理である。今回も空港に着いてそのまま雲南料理のキノコ鍋の店に行った。
キノコの種類は約100種類。以下の写真の右側にある白いキノコは、雲南地方の4000メートルの高地で採れるキノコらしい。食感が良い。しかし何といってもスープがおいしい。まずはスープだけいただいて、それからキノコを食べる。この鍋に肉を入れるとスープが台無しになる。だから別に小鍋を用意して、そこで肉を食べる。
雲南料理といってもここは大連、海老のスリ身とキノコの組み合わせは絶妙だ。
大連では、行くたびに新しい料理に出会う。今回初めて出会ったのはこれである。料理名もしっかりとメモってきた。その名も「香椿大蛤炒鶏蛋」。椿の芽と卵の料理だ。やはり大連、貝も入っている。今年はもう季節の最後で、次回は来年まで食べられないようだが、楽しみにしておこう。
大変な事件が
筆者が本稿の写真を集めているとき、大事件のニュースが飛び込んできた。ノルウェーのテロ事件と中国の高速鉄道の衝突・脱線事故である。犠牲になられた方々にはこの場を借りてお悔やみ申し上げます。
ノルウェーの方はキリスト教原理主義者の犯行と報道されている。一瞬思ったのは、「インドは大丈夫か」である。何といってもインドには「XX原理主義者」が多すぎる。南部のケララ州ではヒンディー、イスラム、キリスト各宗派の関係は比較的に良いようだが他の州は……飛び火して来ないか心配である。
中国の高速鉄道にはちょうど今から1年前、上海から南京に行く際に乗った。乗り心地は良かったが、定刻1分前に発車したのには驚いた。インドも同じだが、急成長する国特有の急ぎ過ぎである。
何回か大連・瀋陽間の普通の特急に乗ったことがあるのだが、周りの中国の若者と英語・日本語チャンポンの会話をいつも楽しんでいた。いずれ高速鉄道が開通すればこの楽しみもなくなる。日本の新幹線も食堂車がなくなって味気ない旅になってしまった。
今回の帰り、京都から深夜バスで帰る予定だったが、あいにくの台風6号で運休。京都駅の駅員さんに聞いたが、夜行列車も今ではなくなったとのことである。つまらない社会を追いかけなくても良いと思うのだが。
和諧号、そんな急いで、どこへ行く。
今回は肝心の大連の仕事の話を何も書いていない。大連には食べに行ったのではなくて仕事に(も?)行ったのですがね。それは次回に。
著者紹介
竹田孝治 (Koji Takeda)
エターナル・テクノロジーズ(ET)社社長。日本システムウエア(NSW)にてソフトウェア開発業務に従事。1996年にインドオフショア開発と日本で初となる自社社員に対するインド研修を立ち上げる。2004年、ET社設立。グローバル人材育成のためのインド研修をメイン事業とする。2006年、インドに子会社を設立。日本、インド、中国の技術者を結び付けることを目指す。独自コラム「(続)インド・中国IT見聞録」も掲載中。
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