こんにちは、CCCマーケティング株式会社 データベースマーケティング研究所 技術開発ユニットのの三浦です。

今回は今年のひな祭りに作った想いを込めたらひな人形から音楽が流れる仕組みの話をご紹介します。

ひな祭り

  • 我が家のひな人形

毎年ひな祭りでは我が家も小さいながらひな人形を飾っています。我が家のひな人形はスイッチが付いていてぼんぼりにあかりを灯すことができるのですが、何かをしたらひな祭りの歌「うれしいひなまつり」が流れるような仕組みを作れないだろうか・・・と考えていました。子供に日頃から音楽に接してほしいという親心です。

RaspberryPiにスイッチとスピーカーを接続したらできるな・・・でも寒いから秋葉原まで行くの面倒だな・・・などなど考え、モヤモヤした日々を過ごしていました。(通販で買えば?という話ですがやっぱり現物を見てから購入したいのです。)

想いを込めれば奇跡も起こせる

話は変わるのですが、娘がプリキュアが好きで自分も付き合ってよく見ています。最初は娘にせがまれてあちこちのイベントや映画に連れて行っていたのですが、だんだん自分の方も面白くなってきてしまうというあるあるパターンに陥ってしまいました。

さて、そんなプリキュアでは主人公たちがピンチに陥った時、強く想いを込めて奇跡を起こす、というシーンが出てきます。

子供にとっても大人にとっても熱い展開なのですが、このシーンをふと思い出し、先程の「うれしいひなまつり」問題を手元にあるデバイスで解決できそうな気がしてきました。

使ったデバイス

実は最近スマートフォンを買い替え、前使っていたスマートフォンの使いみちを考えていました。そのまま押入れにしまっていたのですが、スマートフォンは音楽を再生する機能があるため「うれしいひなまつり」を流すデバイスとして使えるな、と思い出しました。 あとは何らかの方法で音源を再生させるトリガーを実装すればいいのですが、使っていないスマートフォンとはいえ娘にあまり触ってほしくない親心もあります。

どうしたらいいかなと考えていたのですが、以前SONYのMESHブロックのセットを購入し、温度と湿度を測定するブロックを使っていないことを思い出しました。(温度と湿度を測定するデバイスは環境センサとマイコンで自作したため、あまり使っていませんでした・・・。この辺りの話もいつか記事にできればと思います)

  • 温度湿度MESHブロック

これらを活用して次のような仕組みを考えてみました。

想いを込めて音楽を流す仕組み

このような仕組みです。

  • システム全体図

想いを込める・届けるところをどうやって実現するかが最大の肝なのですが、先程の温度湿度MESHブロックをギュッと握らせ、温度を強制的に上げ、あるしきい値を超えたら想いが届いたということにするという方法で実現しました。

作り方

作るのは実はとても簡単です。MESHのアプリで次のようなレシピを作ります。

  • MESHアプリで作成したレシピ

温度湿度ブロックには温度や湿度がある一定の範囲に入ったことをトリガーに処理を実行できる機能があります。ブロックをギュッと握らせた時、どれくらいの温度にどれくらいの時間で達するのか、娘に実験の協力を仰ぎ、大体20.5度くらいで想いが届く気がしました。(我が家はあまり暖房をかけないので、今の季節だいたい室温は18度くらいです。)

  • 温度湿度ブロックの設定

この設定値はもちろん季節によって変わることが考えられます。あとはレシピ上で温度湿度ブロックとスマートフォンの音楽を再生するノードに接続すれば完成です。

想いは届くのか

さっそく娘にやってもらいました。 想いは届くのか・・・。

  • 想いを込める娘

届け・・・

  • 想いが届くのを待つひな人形(とスマホ)

届いた!!

  • /ちゃちゃちゃちゃちゃ・・・\

  • スマホの通知も出せます

娘の想いはしっかりと届いたようです。今回は「うれしいひなまつり」を流しましたが、このフォーマットは色々と使えるなと感じました。「プリキュアになりたい→プリキュアの変身の音楽を流す」なんてこともできそうです。2月から新しいプリキュアも始まったので、そんなシーンがもし出てきたら実現してみようと思いました。

ちなみに

たまに季節外れの暖かい日になると、想いを込めなくても室温が20.5度を超えるというケースが出てきました・・・。

突然「うれしいひなまつり」が流れてびっくりする日を過ごしています。

本記事は、CCC MARKETING TECH BLOGを、再編集して転載したものです。

[著者]
三浦 諒一

CCCマーケティング株式会社
データベースマーケティング研究所
技術開発ユニット
ユニットリーダー

流通向けのソフトウェア開発・販売営業、食品卸での営業サポート、銀行向けの審査モデルの開発業務などを経験した後、現職に転向。Tポイントのデータと機械学習やIoTなどの技術を組み合わせて新しい価値提供が出来ないかと日々研究開発に勤しんでいます。「昨日できなかったことを何か一つ出来るようにする」がモットーです。業務では普段はPythonやArduino、Javascriptなどを活用し、最近はKotlinでAndroidアプリ開発にもチャレンジしています。