アーカイブやポリシーベースのデータ保管は、新しいテクノロジではありません。この分野の製品は長年にわたって大幅に改良され、幅広いユーザニーズに対応できるソリューションが提供されています。ビッグデータやeディスカバリに対応し、データ保存の目的を明確にしたい企業には、ポリシーベースのデータ保管が役立ちます。
なぜメールデータをアーカイブするのか
最初に登場したアーカイブ製品は、非常にシンプルな目的で設計されていました。当時はExchangeのメールボックスクォータに制限があり、ディスクストレージが高額だったのfile retrievalで、このような問題を解決することが目的でした。
当時のアーカイブソリューションにもある程度の検索機能が搭載されていましたが、メールサーバから低価格のセカンダリストレージにメールを移行することが中心でした。単にすべてを永久ストレージへとアーカイブするだけであれば、このようなソリューションで十分な経済効果を発揮します。
ところが、現在では状況が当時とはかなり異なっています。
- メールが超高速で飛び交い、1日に何百ものメールが送受信されます。
- 反復性も高くなっています。同じメールデータが複数コピーされたり、ファイルが添付されているメールも数多く存在します。
- 今やメールは企業データの主要な通信手段になっています。例えば郵便で契約書をやり取りしていた頃のことを思い出せないほどです。
- アーカイブ内のメールには、検索や取得が頻繁に実行されます。情報開示請求、法的な要請、法規制による開示請求では、メールは重要な対象物であり、取得が必要です。
- コンプライアンスに関する法規制や訴訟ホールドでは、関連の通信文書や書簡の保全が義務付けられ、これにメールも含まれます。
- 一方でストレージは大幅な低価格化が進み、クラウドオプションの料金はさらにお手頃になりました。
以上の点を考慮すると、「すべてをまとめて永久保存」という戦略でも問題ないように思えますが、必ずしもそうではありません。なぜならば、膨大な量のメールデータをすべて保存する戦略を採用した場合、必要なメールデータの検索や取得を思うように実行できなくなるからです。
ポリシーベースのデータ保管を検討すべき5つの理由
データの保存対象や方法をポリシーで設定することにより、メールデータを的確に管理できるようになります。メールデータには次のような課題がありますが、ポリシーを使用することのメリットを感じている企業が増えています。
- ほとんどのメールが一過的であり、現時点で価値のあるメールであっても時間の経過とともに価値がなくなる
メールデータの「価値」を判断するには、そもそもなぜそのメールを保存するのか、という点を検討する必要があります。
- ストレージは低価格だが無料ではない
実際、ストレージコストは年間20%の割合で低下していますが、メールデータは50%を超える速度で増加しています。保存可能な容量を超えるメールが常に発生するわけですが、保管には固定コストがかかることを忘れてはなりません。
- コンプライアンスとディスカバリの失敗は高コストにつながる
法規制で要請された情報やメールデータを探せない場合、非常に厳しい罰金が課される可能性があります。
- 膨大なメールデータはコンプライアンスやディスカバリの障害になる
管理されず放置されたままのデータを特定して絞り込む作業は困難であり、コストと時間がかかります。多くの企業が、必要な情報が手元にあるにもかかわらず要請に応じられないという状況に陥り、罰金を支払わざるをえなくなる原因の1つになっています。
- 過度に長い期間メールデータを保存しておくと、副次的コストを生む
情報およびディスカバリの要請を受けると、反復したメール、重複メール、規定の保管期間が経過したメールを含めたすべてのデータが検索対象になります。
上記の課題をすべて解決できるのが、ポリシーベースのデータ保管です。操作も簡単で、かなりの部分が自動化されています。ポリシーベースのデータ保管で重要なのは自動化と継続処理であり、ユーザは保管の条件や期間を把握する必要はありません。
メールデータは、一度保管してしまうと忘れられてしまうものなので、自動処理が重要な役割を果たします。忘れられたデータも所定の期間が経過した時点で自動的に削除されるので、ユーザが処理を憶えておく必要はありません。
テキサスの法律事務所がBarracuda ArchiveOneでポリシーベースのデータ保管を行い、Exchangeストアを効率化した事例をご覧ください。
※本内容はBarracuda Product Blog 2015年1月27日5 benefits of policy-based retentionを翻訳したものです。
Peter Mullens
本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』1月27日付の記事の転載です。