慣れない美少女フィギュアの顔の造形ですが、悩みつつも進行中です。前回の女性の顔のバランスに関する検討を踏まえつつ、実作業に戻り、造形した頭部にディテールを入れていきます。まずは、ここ数年流行している系統で「広角」にしてみました。

最近流行というか、人気のあるタイプの顔に仕上げる予定

いわゆる癒し系というやつです。とりあえず造形したものの、表情が、まったく甘いです。正直これでは、まだダメダメです。作っている最中、肉眼で見ているときは、そこそこいけていると思ったのですが、カメラで撮影してみて、レンズを通した画像として見てみると、いまいちというのは、どういうわけか立体造形ではよくあることです。

こうなってしまった場合は、修正するにしても、作り直すにしても、少し作ったものを見ない時間が必要です。そういう時は、ラップで包んで、しばし休憩します。

一度作業を中断することも大切。このようにラップで原型を包んでおけば、硬化したり汚れることもなく、また作業を再開できる

こうしておけば、いつまでも悩み続けることが出来るのが、スカルピーのありがたいところです。2~3日放置して見ないようにすると、冷静な目で原型を見直す事が出来ます。

こうして3日後に造形を再開。成立していない部分を修正します。同時に表情もつけていきます。このぐらいのサイズだと、表情は、影の付き方によって左右されるところが大きいので、影が欲しいところには、デフォルメを更にきつくしてみました。

修正後はこのような感じになりました。上に掲載した3枚の画像と比べてみてください

かなり表情がよくなったような気がします。まだまだ検討を続けたいので、眉毛等のディテールを入れず、再びラップに包みます。今回はここまでです。

安藤賢司
バンダイ『S.I.C』シリーズなど、多数のハイエンドな玩具の原型を担当。「原型師がマスプロダクツ製品のパッケージに名前を刻まれる」という偉業を成し遂げ、「玩具原型」の認識を「作品」のレベルまで高めた。『S.I.C』シリーズ最新作の原型を常に製作中。某ゲームのキャラクターデザインもやってます

神の手による最高の美少女フィギュア造形進行中