前回の連載では、拡張機能「Momentum」の使い方を紹介した。今回は、似たような機能を持つ拡張機能「無限ダッシュボード」の使い方を「Momentum」と比較しながら紹介していこう。「どちらの拡張機能が使いやすいか?」を判断するための材料として頂ければ幸いだ。
「無限ダッシュボード」の追加
拡張機能の追加手順は、他の拡張機能と同じ。「無限ダッシュボード」の紹介ページを開き、右上にある「Chromeに追加」をクリックする。続いて、「拡張機能を追加」ボタンをクリックすると、拡張機能のインストールが完了する。
「無限ダッシュボード」の追加が完了すると、以下の図のような画面が表示される。この画面は「インストールしてくれて、ありがとう」という感謝の意を示すメッセージなので、特にすべき作業はない。「+」をクリックして「新しいタブ」を作成すると……、
「無限ダッシュボード」のホーム画面が表示される。なお、この際に確認画面が表示された場合は、「そのままにする」ボタンをクリックすると「無限ダッシュボード」のホーム画面を維持できる。
「無限ダッシュボード」の基本設定
「無限ダッシュボード」のホーム画面は、「検索欄」と「リンク」が並ぶシンプルな構成になっている。まずは、これらの基本設定を済ませておこう。画面の右下にある「…」をクリックする。
「無限ダッシュボード」の設定画面が表示される。まずは、ホーム画面にある「検索欄」で使用する検索エンジンを選択しよう。
画面を下へスクロールすると、ホーム画面に配置する「リンクの数」を指定する項目を見つけられる。この項目は、各自の好みに応じて好きなレイアウトを選択すればよい。
背景写真の変更
続いては、ホーム画面の背景写真を設定していこう。設定画面の上部で「Background」を選択する。すると、背景の設定画面が表示される。背景を写真にする場合は、画面左側で「Photo」をクリックし、好きなカテゴリーを選択すればよい。そのほか、「Video」(動画)や「Colors」(単色)、「My Gallery」(各自が所有している画像)を背景に指定することも可能となっている。
「Photo」をクリックして好きなカテゴリーを選択すると、そのカテゴリーに含まれる写真が一覧表示される。この中から好きな写真を選択する。
以上で、背景写真の指定は完了。設定画面を閉じると、ホーム画面の背景写真が変更されているのを確認できる。もちろん、同様の手順で、いつでも好きなときに背景を変更することが可能だ。
前回の連載で紹介した「Momentum」は、“日替わり”で背景写真が自動的に変化していく仕様になっていた。一方、「無限ダッシュボード」は、“自分で指定した写真”が背景として固定される仕様になっている。
リンクのカスタマイズ
続いては、ホーム画面に並ぶ「リンク」をカスタマイズするときの操作手順を紹介していこう。
まずは、不要なリンクを削除する。それぞれのリンクの上にマウスを移動すると、右上に「×」が表示される。この「×」をクリックし、続いて表示される確認画面で「Yes」ボタンをクリックすると、そのリンクを削除できる。
ちなみに、最初から配置されているリンクは正しく機能していないケースが多いようだ。よって、初期配置されているリンクは、すべて削除してしまって構わない。
リンクを削除できたら、自分用のリンクを作成していこう。画面の右上にある「★Hub」をクリックする。
すると、「Hub」と呼ばれる画面が表示される。リンクを追加するときは、画面上部で「Bookmarks」を選択し、「+」をクリックすればよい。
新しいリンクを登録する画面が表示されるので、リンク先の「URL」と「表示名」を入力する。続いて、「Create Preview」ボタンをクリックし、リンクのプレビュー(サムネイル)を作成する。
指定したURLのページが“新しいタブ”に表示されるので、画面上部にある「Create Preview」ボタンをクリックする。すると、“プレビューとして使用する範囲”を指定する青い枠線が表示される。この枠線の四隅にあるハンドルをドラッグして範囲を指定し、「Set Preview」ボタンをクリックする。
指定した範囲がプレビューとして設定される。以上でリンクの設定は完了だ。「Save」ボタンをクリックする。
「Bookmarks」にリンクが追加される。このリンクをホーム画面に固定するときは、「…」から「Pin to home screen」を選択すればよい。
同様の手順でリンクを追加していくと、ホーム画面に自分用のリンクを配置できる。
ただし、プレビューを表示するにはアイコンが小さすぎるため、少し見づらいリンクになってしまう。わざわざ手間をかけてプレビューを作成するのではなく、「Webサイトのアイコン(ファビコン)を自動取得してくれた方が使いやすい……」と感じてしまうのは筆者だけではないだろう。
なお、GoogleやAppleが提供しているWebアプリ(Webサービス)や主要なSNSについては、アイコン表示のリンクを作成することも可能となっている。この場合は「Hub」の画面で「Apps」を選択し、各アイコンの右上に表示される「ピン」をクリックしてONにすればよい。
このようにリンクの追加に関しては、少し想定外の仕様になっていた。また、ホーム画面に配置したリンクの順番を並べ替えられないこともマイナス要因になると思われる。どうやら、リンクの並び順は「リンクを追加した順番」に固定されているようで、筆者が試した環境では“並べ替え機能”は見当たらなかった。
タスクの管理
次は、タスク管理の使い方を紹介していこう。「無限ダッシュボード」のタスク管理は、日時を指定して予定を書き込むスケジュール帳のような形式になっている。
「Hub」の画面を開き、「ToDo」を選択すると、以下の図に示したようなカレンダーが表示される。新しいタスク(予定)を追加するときは、この画面にある「Add」ボタンをクリックすればよい。
タスクを追加する画面が表示されるので、日付と時刻を指定し、予定を文章で入力する。その後、「Save」ボタンをクリックすると、タスクを追加できる。
登録したタスクを確認する方法も紹介しておこう。カレンダーで日付を選択すると、その日のタスクが画面左側に一覧表示される。それぞれのタスクはチェックボックス形式になっており、“完了済み”と“未完了”を各自が自由に指定できるようになっている。
カレンダーを「週単位」や「日単位」で表示することも可能だ。以下の図は、カレンダー表示を「日単位」に切り替えた例だ。この場合、それぞれのタスクをタイムテーブルで示すことが可能となる。ただし、なぜか勝手に2時間分の枠が確保されている。
タスクの追加画面に「開始時間」を指定する項目はあるが、「終了時間」を指定する項目は見当たらない。どうやら、それぞれのタスクは“2時間”に固定されているようで、タイムテーブルとして考えると完成度は未熟だ。
そのほか、「Notes」という機能も用意されている。こちらは付箋のように、次々とメモを記録していける機能となる。
サイドバーの表示/非表示
「無限ダッシュボード」にはサイドバーと呼ばれる機能も用意されている。こちらは「Bookmarks」に登録したリンク先へ即座に移動できる機能となる。サイドバーをONにした状態でWebページを閲覧すると、画面の左上に以下の図のようなアイコンが表示される。
このアイコンの上へマウスを移動すると、“登録済みのリンク”が一覧表示され、そのリンク先へ即座に移動できる、という仕組みだ。
いちいちホーム画面に戻る必要がないため、これは便利な機能といえるだろう。なお、サイドバーを利用しない場合は、アイコン表示をOFFにすることも可能となっている。アイコンの表示/非表示は、設定画面にある「Show sidebar」で切り替えられる。
「Momentum」と「無限ダッシュボード」の比較
最後に、前回の連載で紹介した「Momentum」と、今回の連載で紹介した「無限ダッシュボード」を比較しやすいように要約しておこう。
◆Momentum
背景写真:“日替わり”で自動更新
検索欄:有り(検索エンジンはChromeの設定に準拠)
リンク:ファビコン + タイトル
タスク:箇条書き(日時の指定なし、Today/Inboxに分類可)
各種機能:時刻表示、天気情報、集中モードなど
◆無限ダッシュボード
背景写真:“指定した写真”に固定
検索欄:有り(検索エンジンを選択可能)
リンク:プレビュー + タイトル
タスク:カレンダー形式(日時の指定が必須)
各種機能:メモ(Note)、サイドバーなど
それぞれ趣が異なるので、最終的には“個人の好み”によると思われるが、全体的な完成度は「Momentum」の方が高いようだ。「無限ダッシュボード」は、プレビュー表示のリンクが見づらく、「Apps」から追加した「Instagram」や「Facebook」のリンクが機能しない、「X」へのリンクも「Twitter」のまま(こちらもリンクとして機能しない)などの不具合が見受けられた。
両者とも、Chrome標準のホーム画面との大きな違いは「全体的な雰囲気」と「タスクを管理できること」といえる。これらに期待するのであれば、拡張機能の追加を検討してもよいだろう。そうでない場合は、特に“お勧め”するほどの拡張機能ではないかもしれない。
もともと拡張機能は“必要な人だけが追加するもの”という存在なので、この連載そのものが「興味があれば……」という結論になってしまいがちな傾向はある。もし気になっていた方がいれば、参考情報の一つとして役に立てて頂ければ幸いである。