サーバーワークスは10月22日、勤務先にAIツールが導入されている会社員269名を対象に行ったAIの利用状況や従業員の意識に関する調査の結果を発表した。
調査によると、67.6%が業務でAIを使いこなせていると回答した一方、72.5%がAI利用に疲れや負担を感じることがあると回答。AIを使いこなせていると認識する層に限ると、その割合は83.0%に上る。AIの業務利用が広がるなか、利用者の負担や企業による活用支援が新たな課題として浮かび上がった。
AI導入企業では85.2%が週1日以上利用、67.6%が「使いこなせている」
勤務先でAIの導入・活用がどの程度進んでいるかを尋ねたところ、「非常に進んでいる」が31.2%だった。「ある程度進んでいる」は56.5%で、両者を合わせると87.7%となった。
AIの業務利用も一定程度定着している。業務でAIを週1日以上利用する人は85.2%だった。このうち39.8%は「ほぼ毎日」利用している。また、67.6%が業務でAIを使いこなせていると回答した。
一方、AI活用に課題を感じている利用者もいる。最も多かったのは「情報漏えい、著作権などのリスクに不安がある」の27.9%だった。「AIの出力を確認・修正する負担が大きい」が24.5%、「プロンプトの書き方が難しい」が22.7%で続いた。
AI利用者の72.5%が「疲れや負担」、使いこなせている層では83.0%に
業務でAIを利用することに「疲れや負担を感じることがある」と回答した割合は72.5%に達した。内訳は「よくある」が26.4%、「たまにある」が46.1%だった。
特徴的なのは、AIを使いこなせていると認識している層の結果である。同層では83.0%が疲れや負担を感じると回答した。一方、使いこなせていないと回答した層では50.6%だった。
AIへの指示の繰り返しと出力の確認・修正が負担に
では、AI利用者は具体的にどのような場面で負担を感じているのか。
疲れや負担を感じると回答した195名では、「希望する回答を得るまで指示を繰り返すこと」が36.9%で最も多かった。「AIの出力に対して判断や確認・修正すること」が36.4%で続いた。「情報漏えいや著作権などを意識し続けること」と「仕事のスピードや業務量が増えること」は、それぞれ29.2%だった。
AIとのやり取りそのものだけではなく、生成した内容を人間が確認する工程も負担の一因になっていることが調査結果から示されている。
「AIを使わない時間・業務を分ける」、49.7%が実践
疲れや負担を感じる195名に対処法も尋ねた。
最も多かったのは「AIを使う時間・業務と、使わない時間・業務を分ける」で、49.7%だった。「AIの特性を理解したうえで割り切って使う」が42.6%で続いた。「情報収集やキャッチアップの頻度を減らす」と「チームや社内でAIの利用ルール・ガイドラインの整備・見直しを働きかける」は、それぞれ27.2%だった。
AIをあらゆる業務で利用するのではなく、利用する場面を区切ることで負担に対処している人もいることが分かる。
3人に1人が企業のAI活用支援を「十分ではない」と回答
勤務先で提供されているAI活用支援では、「明確な利用ルール・ガイドライン」が41.6%で最も多かった。「従業員向けの研修」が37.9%、「活用事例・プロンプト・テンプレートの共有」が30.9%、「安全に利用できる会社指定のAI環境」が30.5%と続く。
一方、勤務先の生成AIに関する環境や支援について、「あまり十分ではない」とした人は28.3%だった。「まったく十分ではない」は5.2%で、合計33.5%が支援を十分ではないと回答した。
支援が十分ではないと回答した90名に必要な施策を尋ねると、「従業員向けの研修」が46.7%で最多だった。「社内ルール・ガバナンスの整備」が43.3%、「AIを活用する業務の選定」が37.8%で続いた。
サーバーワークスは今回の結果について、AI活用を現場任せにするのではなく、導入から運用まで組織として支える必要性がうかがえるとしている。





