パソナHRソリューションは10月6日、外国籍人材を雇用する企業81社と日本で働く外国籍人材100人を対象に実施した「外国籍人材の活躍・定着に関する実態調査」の結果を発表した。企業側が挙げた課題は「コミュニケーション」が46%で最多だった。一方、外国籍人材側は業務の習得や評価基準の理解などに困っており、両者の回答傾向には違いがみられたという。
調査はいずれも全国を対象にインターネットで実施した。企業向けの調査は、外国籍人材を雇用する企業・団体の経営者や人事担当者などを対象に7月8日~17日に行い、81社から回答を得た。外国籍人材向けの調査は7月13日に実施し、100人から有効回答を得ている。
外国籍人材を受け入れる現場の課題は「コミュニケーション」
企業に外国籍人材の採用目的を聞いたところ、「専門人材の確保」が最も多く、「ダイバーシティ推進」「人手不足への対応」が続いた。雇用している職種では、高度専門職系(IT・技術職・研究開発)とホワイトカラー系(事務・営業)が全体の約7割を占めた。同社は、外国籍人材の活躍の場が専門職やビジネス領域にまで広がっているとしている。
外国籍人材を受け入れる現場の課題では、「コミュニケーション(日本語力・報連相・指示伝達)」が46%で最多となり、「異文化対応(文化差異・価値観の違い)」が36%で続いた。上司や同僚が感じている困りごとでは、「文化・価値観・働き方の違いへの対応」(31%)、「業務指示や説明の伝わりにくさ」(28%)、「受入れに伴う業務負担」(27%)が上位に挙がった。
一方、外国籍人材に現在の職場で困っていることを聞いたところ、「仕事の知識・スキル習得」が19%で最も多く、「仕事の指示の理解」(17%)、「日本のビジネス慣習への理解」(15%)、「評価基準の理解」(15%)が続いた。また、日本の職場文化や慣習で難しいと感じることとして、「敬語・ビジネスマナー」(29%)、「曖昧な表現や指示」(21%)、「評価制度の理解」(19%)が挙げられた。企業側が「伝え方」や「指導方法」に課題を感じるのに対し、外国籍人材側は「理解の難しさ」や「評価への不安」を挙げるなど、回答傾向に違いがみられた。
会社から受けているサポートと満足度の関係
会社から受けているサポートと満足度の関係も分析した。「日本語レッスン」「多言語マニュアル」「職場交流イベント」などのサポートを受けた外国籍人材は、受けていない人に比べて会社のサポートに対する満足度が高い傾向がみられた。満足度を5段階で評価したところ、全体平均は3.08だった。特に日本語レッスンを受けた人の満足度は3.71で、受けていない人の2.98を0.73ポイント上回り、比較した施策の中で最も差が大きかった。同社は、日本語教育が依然として重要な施策であることが確認されたとしている。
長期就業に向けた支援について、企業側では「OJT担当者・メンターの配置」「定期面談」「多言語マニュアルの活用」などの対応が挙げられた。一方、外国籍人材が長く働くために必要と考えるサポートは、「メンター制度」(22%)、「異文化理解」(20%)、「仕事の評価基準の明確化」(19%)だった。メンター制度の重要性は両者に共通する一方、外国籍人材は評価やキャリア、職場文化への適応に関する支援をより求めていることが分かった。
同社は調査結果を踏まえ、外国籍人材の活躍・定着には、日本語教育に加え、異文化理解や評価制度の透明化、キャリア形成支援、メンター制度などを組み合わせた総合的な支援が必要だとしている。また、受け入れ側の管理職や職場メンバーへの異文化理解・マネジメント支援も重要であり、双方への支援体制の整備が定着・活躍の鍵になるとの見方を示した。




