ヨーカ堂やファミマなど、物価高対応に追われる流通各社

長期化する物価高で消費者の節約志向は根強く

 長引く物価高騰を背景に様々な商品の値上げが続く中、流通各社が消費者の節約対応に追われている。 

 イトーヨーカ堂は低価格帯プライベートブランド(PB=自主企画)商品『セブン・ザ・プライス』を拡充、2026年度に前年比で約3割増となる約400アイテムまで拡大する。 

『セブン・ザ・プライス』は2021年7月から販売を開始。パッケージの効率化・共通化や物流・生産体制の集約・効率化などを通じて、低価格を実現。既存店売上は前年同期比で、24年度は約200%、25年度は約150%伸長している。 

 例えば、今回販売を開始した『セブン・ザ・プライス マヨネーズ1Kg』(税込価格624円)は、期間を集中して生産することで効率化を図り、製造コストを低減。ボトルキャップは、メーカー既存品を使用し、資材コストを削減するなど工夫をこらした。マヨネーズや焼のり、インスタントコーヒーなど、購買頻度の高い商品を拡充させることで、利用客の来店頻度を上げたい考えだ。 

「お客様の〝価格〟に対する関心は一段と高まっている。品質と価格の最適なバランスを追求し、ニーズに即した商品開発に努めていく」(同社) 

 また、コンビニエンスストア大手のファミリーマートでは、3月から期間限定で値段を据え置いたまま増量する〝実質値下げ〟キャンペーンを開始。同社は2026年9月に創立45周年を迎えることから、生コッペパン・ラーメン・中華まんなど14種類の商品を45%増量して販売している。 

 同社関係者は「おトク感や美味しさはもちろんのこと、『どれくらい増量しているだろうか?』というワクワク感を体験してほしい」と話している。 

 帝国データバンクの調査では、この4月から2798品目の飲食料品が値上げ。ただでさえ、物価が高騰している中で、現在は中東情勢が緊迫化し、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖。原油をはじめとしたエネルギーの途絶リスクが現実味を帯びており、今後もさらなる値上げを覚悟しなければならない状況。消費者の財布のヒモはますます固くなるばかりだ。 

 そうした中、消耗戦にも見える体力勝負を仕掛け、顧客の囲い込みを狙う流通各社である。

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