【 金融庁 】3メガ共同発行の円建てステーブルコインを後押し

金融庁が法定通貨に連動するステーブルコインの普及に力を入れている。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが共同発行を目指す円建てステーブルコインについて、前例のない試みを後押しする「フィンテック実証実験ハブ」の支援対象に決定。実証実験を通じて実用化に向けた課題などを官民で議論し、使い勝手の良い次世代通貨の実現につなげたい考えだ。

 ステーブルコインは、価格変動の大きいビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)と異なり、円やドルといった法定通貨に連動しているため価値が安定しやすい。決済や送金などで幅広い利用が見込まれている。

 日本は法的な環境整備では先行したが、肝心の実用化では米国に大きく出遅れている。世界のステーブルコインの市場規模は3000億ドルを超えるが、その9割以上が米ドル建てだ。

 翻って日本では、昨年10月に新興フィンテック企業のJPYC(東京都千代田区)が円建てステーブルコインの発行を始めたばかり。1回当たりの発行上限が100万円と規定されていることもあり、足元の発行額は10数億円程度にとどまる。

 日本の巻き返し戦略として期待されているのが、メガバンクによる円建てステーブルコインの発行。その成否は、デジタル金融時代における円の通貨主権の維持に大きな影響を及ぼす。

 銀行が実用化を急ぐ理由はそれだけではない。既存の銀行顧客が預金をフィンテック企業などが発行するステーブルコインに変える動きが広がれば、貸し出しや資金運用の原資が不足することも予想されるからだ。

 金融庁がリーダーシップを発揮し、デジタル金融時代の円の地位の維持や金融システムの安定化を図れるか。

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