
2026年度予算の年度内成立にこだわる高市早苗首相に対し、野党だけでなく、身内でもある参院自民党内から批判が噴出し、政権の求心力が低下しかねない事態だ。その余波は参院議員である片山さつき財務相にも及ぶ。
一方、財務省は参院の”少数与党の壁”を踏まえれば「片山大臣の方が(首相より)状況を正確に理解している」(主計局)と冷静に受け止める。予算案をめぐり、高市首相と片山氏が必ずしも”一枚岩”ではないのではという見方も広がる。
3月24日の閣議後会見で片山氏は「予算の空白は1日も許されない。不測の事態に備えて編成作業を進めたい」と述べ、3月末に26年度予算が成立しない場合に備え、暫定予算を編成する意向を表明。暫定予算の編成は11年ぶりで、4月に拡充する高校授業料無償化や社会保障費、地方交付税交付金などが計上される見通しだ。
予算案の国会審議をめぐっては、当初予算は憲法上の規定で衆院通過後30日となる4月11日には自然成立するため、年度内成立をあきらめない高市首相に対し、自民党内や霞が関では「国会軽視も甚だしい」との不満が強まっていた。
というのも、先の衆院選での圧勝を背景に、予算の年度内成立を目指す首相の意向を受け、衆院での審議は「委員長職権」を乱発するなど”スピード採決”となり、野党が多数を占める参院は猛反発。採決を強行すれば行き詰まるのは明らかだった。
イラン情勢を受けて金融市場が不安定化するなど、今後の展開次第では経済を下押しする可能性もあり、政権運営には経済・財政運営を支える片山氏の手腕が欠かせない。高市首相と片山氏の二人三脚が高い政権支持率の土台でもあるだけに、両氏の距離にも注目が集まる。