
阪神・淡路大震災をきっかけに創業
足元の事業環境を見ると、住宅の供給は過多にも関わらず、価格上昇が続いており、一般消費者との乖離が起きています。その中で今、住宅の他、ビルもRCから木造に移行する流れが加速しています。当社はその流れをドライブするための事業展開をしている企業です。
当社が誕生したのは1995年の阪神・淡路大震災がきっかけです。当時私は日商岩井(現双日)の木材部にいましたが、木造の建物が壊れている様子を見て言葉を失いました。
建築基準法の中で、木造住宅は「4号特例」といって、構造計算が必要なく、建築確認の審査の一部を省略できるものとして分類されてきました。当時、私は「集成材」を輸入する仕事をしていましたが、その集成材を活用し、構造計算を行った安全な住宅をつくることに社会的な意義があると考えて、当社の設立を提案しました。
特徴は自由な空間デザインと高い耐震性能を両立する木造建築技術「SE構法」です。これは建築構造家・播繁さんが開発したものです。この構法を活用して安全な家を建てたいという志を持った全国の工務店・ハウスメーカー632社に提供し、ネットワーク化しています。
現在の当社の事業は「住宅」、「大規模木造建築(非住宅)」、「環境設計」、「DX」という4つのセグメントとなっています。
「住宅」は我々の祖業ですが、SE構法の活用で安全性に加えて、自由な空間デザインも可能にしています。これは大きな付加価値です。
「大規模木造建築(非住宅)」では住宅で培ってきたSE構法の技術で店舗や複合施設など木造建築物の構造設計をしています。また、グループ企業である翠豊は他社にない特殊加工の技術を生かして、特徴ある建築物の施工までを 手掛けています。
「環境設計」では、1軒1軒の住宅で、エネルギーをどれだけ使用して、電気代がどれくらいになるのかを、建てる前にシミュレーションする「省エネ計算サービス」を展開し、ZEH(ゼロエネルギー住宅)の普及に努めています。
「DX」では、あらゆる工程で情報活用を行うためにBIM(Building Information Modeling)で建築物のデータベース化を進めています。これによって他の事業を連携させ、木造建築のDXを推進しているのです。
この4つの事業を連関させたプラットフォームビジネスを展開していくのが今後の我々の姿です。
他にも、関連会社であるMUJI HOUSEでは、03年から「無印良品の家」を中心とした建築事業を展開し、木造住宅、非住宅の供給を進めています。
そして今、前述の4号特例が廃止されつつあります。今後構造計算、SE構法が広まる可能性が出てきており、当社の成長余地が広がろうとしています。
当社は耐震化を軸に事業を前進させてきましたが今、建築基準法もどんどん厳しくなってきており、我々が追求してきた住宅の安全確保に向けて、追い風になってきています。
環境、脱炭素化は引き続きの課題ですし、DX、AIの活用は待ったなしの状況です。これらの課題解決を進めることで、当社はさらなる成長を図ろうとしています。