
人手不足、資材高騰の中で…
「我々は『技術立社』で技術を売る会社。このことは長い現場経験でも感じていたこと。いい建物、いい品物、いい品質を工期内に作り込んで、お客様にお渡しすることが大切」─こう話すのは、鹿島次期社長の桐生雅文氏。
2026年2月12日、鹿島は社長人事を発表した。6月下旬の株主総会での承認を経て、社長には常務執行役員の桐生氏、会長兼社長の押味至一氏は会長に専念する。26年1月に前社長の天野裕正氏が病気によって急逝。このことを受けての人事。
桐生氏は1961年11月東京都生まれ。84年早稲田大学理工学部卒業後、鹿島入社。21年執行役員東京建築支店副支店長、24年常務執行役員横浜支店長という足取り。入社42年だが、そのうち35年を建設現場で過ごしてきた。
近年、建設業界では人手不足や資材高騰もあり、大型プロジェクトの難易度が高まっている。その中で桐生氏は、前社長の天野氏が取り組んできた施策である、「ナレッジ(知識)の共有化」による技術の伝承が大事だと話す。IT、DXを駆使して「我々が10年かけて覚えたことを、今の時代は5年、3年で身につけてもらわなくてはいけない」(桐生氏)という。生産性の向上に向けたAI(人工知能)やロボットの活用も重要な課題。
社長就任を告げられたのは26年1月中旬のことで「青天の霹靂」だったと振り返る。印象に残る仕事としては、現場所長を務めた三井不動産の「東京ミッドタウン日比谷」を挙げる。
「任された以上は鹿島グループをいかによい会社にすべきか考え、全力を尽くす」と話す桐生氏は今の建設業界を取り巻く厳しい環境を乗り切る工夫が求められる。