次世代データインテリジェンスソリューションを提供するQuollio Technologiesは3月27日、NECと協業し、AIデータ分析プラットフォーム「dotData」で自動抽出した特徴量にビジネスの文脈(コンテキスト)をビジネスメタデータとして管理・活用できる「Quollio Data Intelligence Cloud」を連携させる技術検証を完了し、同月からNEC社内の実業務環境での実証を開始した。

技術検証の概要

生成AIやAIエージェントの普及に伴い、企業内に蓄積されたデータをAIが理解・活用できる「知識(AI-Readyデータ)」へ変換することの重要性が高まっている。dotDataは、データに潜む統計的な事実である特徴(インサイト)を自動抽出することで、AI-Readyデータの整備を効率化・加速できるという。

一方で、抽出された特徴をビジネスの文脈でどのように解釈し、意思決定につなげるかといった「意味情報」は、人の知見や業務経験に依存しがちで、AIが文脈を理解して回答を生成する際の障壁となっていた。

技術検証は、2025年10月から12月にかけて、Snowflakeが提供する生成AIエージェント「Cortex Agents」とデータを可視化・共有するアプリケーション開発ツール「Streamlit」を活用した。

同環境下で、AIエージェントのチャットUIでの対話(壁打ち)を通じて、dotDataが抽出した特徴量にビジネスの文脈を付与することで、AIエージェントが文脈をふまえ、単なる数値の提示にとどまらない意味のある回答を生成できることを確認。また、これらを自律的に統合・活用するアーキテクチャの技術的実現性も確認した。

検証アーキテクチャは、dotDataが抽出した特徴量をSnowflakeに格納し、StreamlitからCortex Agentsを呼び出し、ユーザーと対話するAIエージェント環境を構築した。

具体例としてスーパーマーケットの購買データをモデルケースとして検証。dotDataが抽出した特徴量に対し、AIエージェントのチャットUIでの対話(壁打ち)を通じて「ビジネスの文脈」を導出し、特徴量とビジネスの文脈を合わせて活用することで、AIエージェントが単なる数値以上の回答を行うことができることを確認した。

dotDataが抽出した事実(特徴量)は「購買時間が22時台」、チャットUIでの壁打ちを通して導出したビジネスの文脈(コンテキスト)は「閉店間際の来客(駆け込み需要)」、AIエージェントの挙動としてはユーザーが「商品Aを購入する顧客の特徴は?」と問うだけで、AIが「22時台(事実)」のデータを参照し、「閉店間際の来客(ビジネスの文脈)」を加味してユーザーの理解を促す回答を生成した。

  • 技術検証の概要

    技術検証の概要

Snowflakeのテーブルとして格納された特徴量とビジネスの文脈を、Quollioのコンテキストレイヤーに反映し、双方向に連携する仕組みをQuollioのAPIで実装し、特徴量とビジネスの文脈を、人とAIがともに参照・編集可能なコンテキストレイヤーで一元管理することで、対話のたびにナレッジベースを継続的に更新し、鮮度高く保たれる「知識の循環サイクル」を技術的に確立できることを確認したという。

dotDataが抽出した統計的事実である特徴量を、その解釈を促すビジネスの文脈と合わせて知識化する仕組みを構築したことで、人とAIがビジネスの文脈に照らした特徴量を活用できるだけでなく、チーム全体で知識を管理し再利用する仕組みを技術的に確立した。

NEC社内での検証に移行

技術検証の成果にもとづき、両社は検証フェーズを「NEC社内の実利用検証」に移行。NECの一部門での営業活動を対象に、営業領域における活用検証を開始し、営業部門でのマネジメントプロセスの中で、ビジネス知識としての特徴量を活用するユースケースを通して、意思決定の質向上と迅速化に向けた効果検証を行う。

NEC社内での効果検証活動において実務的な成果が確認された場合、両社は同ソリューションを顧客向けに提供するための具体的な協議を進めていく。NECのデータドリブンDXソリューション群とQuollioの連携を深め、共同ソリューションとして市場展開することを視野に、パートナーシップの拡大を目指す。