Microsoftは3月12日(米国時間)、「Introducing Copilot Health|Microsoft AI」において、パーソナライズされた健康情報を提供する新AIサービス「Copilot Health」を発表した。

医療機関の検査結果や日常の計測データを整理し、一貫性のある情報へと変換することで、症状の原因や関連性を明確にする手助けをする。医療行為を代替するものではなく、医師との対話に必要な健康状態の洞察を提供し、適切な質問を準備できるように支援するという。

  • Introducing Copilot Health|Microsoft AI

    Introducing Copilot Health|Microsoft AI

Copilot Healthが提供する機能

Copilot Healthは、健康記録、既往歴、ウエアラブルデバイスの健康データなどを包括的プロファイルにまとめる機能と、AIがそれらの関係性を読み取り自身の健康状態を理解しやすい形に整理する機能で構成される。

健康記録および既往歴の収集はHealthExを通じて行われる。5万件以上の米国の病院および医療機関から、受診履歴、投薬リスト、検査結果などの医療記録を入手。さらに予防医療プラットフォームの「Function Health」による包括的なラボテスト結果も統合する。

分析に用いるデータ

日々の健康データはApple Health、Oura、Fitbitなど50種類以上のウェアラブルデバイスから、活動レベル、睡眠パターン、バイタルサインなどを収集する。これらデータは、会話データと共に一般的なCopilotから隔離された保護領域に暗号化して厳重に保管される。データの送信時にも暗号化を行い、厳格なアクセス制御でプライバシーを保護する。

利用者によるデータ管理に対応し、データソースとの切断およびデータの削除が可能。また、Microsoftは健康データをモデルの学習に利用することはないと明言している。

Microsoft AI Diagnostic Orchestratorが基盤

AIは、同社が研究開発を進める「Microsoft AI Diagnostic Orchestrator(MAI-DxO)」の成果を基盤とし、健康データに含まれるパターンを分析することで実用的な洞察を提供する。同社の医療研究の取り組みは、一般医の幅広い知識と専門医の深い知見を融合する医療AIにつながる技術開発とされ、厳格な臨床評価と明確なラベル付けを行った上でCopilot Healthに導入したとされる。

情報の信頼性向上には、50か国の信頼できる医療機関から収集した情報を活用。回答には出典資料へのリンク付きの引用を明示し、Harvard Healthによる解説カードも組み合わせる。また、米国の医療機関検索機能を備え、専門分野、所在地、対応言語、保険適用範囲などを基準に、医師の検索にも対応する。

ウェイティングリストの登録受け付けを開始

Copilot Healthは、Microsoft社内の臨床チームに加え、24カ国230名超の医師が外部専門家パネルとして参加し、専門的な知見や安全性に関する助言を提供して開発されたという。さらに、透明性と責任のあるAIマネジメントシステムを審査する国際規格「ISO/IEC 42001」の認証を取得し、第三者機関による評価を受けたことを公表している。

利用者は自身の健康状態に関する的確な回答を期待できるが、医療行為(診断など)を代替するサービスとして利用することはできない。健康相談や予防情報を提供する日常インフラに近い役回りと言え、ハルシネーションなどの誤回答についても理解した上で利用することが求められる。

同サービスは慎重かつ段階的に展開を行うため、利用にはウェイティングリストへの登録が必要。現時点での登録条件は、米国内に居住する18歳以上の成人で、対応言語は英語のみ。他の言語および音声オプションは現在開発を進めており、準備が整い次第、対応地域の拡大と合わせて発表を行う予定としている。