
『必ず正しくやる』という考えを前面にもっていく
「ニデックは創業以来、現在に至るまで〝永守氏(創業者・永守重信氏)の会社〟であった。今後、ニデックが再生していく上では、永守氏の影響からいかに脱していくかが重要」
こう語るのは、ニデックの第三者委員会で委員長をつとめる平尾覚氏(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士)。
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同社の不正会計問題について、第三者委員会が調査報告書を公表。会計不正の原因について、永守氏から「どいつもこいつもやる気なしの無責任野郎ばかり揃いやがって!」「全員やめてくれや!」などの叱責があったとして、過度な業績プレッシャーや〝永守氏の絶対性〟が背景にあったと判断。今後は〝永守氏の会社〟からの脱皮や社外取締役の機能強化などを求めた。
一方、第三者委員会は「永守氏が会計不正を指示・主導した事実は発見されなかった」としているが、「業績目標が非現実的になり、その達成がかなり強烈に求められ、背景には人事権がある。その状況で不正が生じたと考えている」(平尾氏)。
今回の問題で思い出されるのは、2015年の東芝の不適切会計問題。当時のトップから「チャレンジ」と言われ、収益改善を強く求められたことが、不適切会計を招いた原因とされた。
当時の東芝にしろ、今回のニデックにしろ、目標必達への過度なプレッシャーが不適切会計を助長するようになったということ。ニデックの第三者委員会も「抑止機能を遥かに凌駕する程の強いプレッシャーが存在していた」と指摘するが、一方でトップが目標達成に向けて発破をかけることは自然なことでもある。要は、プレッシャーの強度の問題なのだが、ここに経営のカジ取りの難しさがある。
そうした中、ニデック社長の岸田光哉氏は「当社が大切にしてきた、未来にもっていくべき企業風土や考え方に加えて、『必ず正しくやる』という考えを前面にもっていきたい。それによって失われていく過去のやり方やプロセスがあれば、勇気をもってやめていきたい」と語る。
永守氏が同社の経営から去った今、永守氏に依存する企業体質からの脱皮を図ることはできるか。岸田氏の手腕が問われる。