【厚生労働省】「医療モール」報酬の引き下げに薬局業界が反発

患者の処方箋を1回受け付けるたびに保険薬局へ支払われる調剤基本料が、6月から複数のクリニックが入居する「医療モール」内にある薬局では大幅に引き下げられる。

 調剤基本料は特定の医療機関からの処方箋集中率が高いほど低く設定される仕組み。26年度診療報酬改定では、同一建物内の複数のクリニックを一つの医療機関とみなして集中率を計算することに。医療モール内の薬局は集中率が一気に高くなり、調剤基本料は370円から200円に下がる。薬局業界は「医療モール内の店舗で経営が成り立たなくなり、長期的には患者にとっても不利益になる」と猛反発している。

 厚生労働省は調剤報酬について、大病院前にある収益重視の「門前薬局」などを低くする一方、地域内に点在して高齢患者へのケアに努める「かかりつけ薬局」を高く設定している。

 26年度改定では、都市部に約3千カ所あるという医療モール内の薬局の立地や収益率の高さにメスが入り、報酬が大きく下げられることになった。

 これに対し、チェーン薬局の経営者らでつくる日本保険薬局協会会長の三木田慎也氏は「医療モール内薬局に対するペナルティだ。せめて激変緩和措置を導入すべき」と厚労省に再考を求めた。同協会幹部も「今や薬局の立地に関係なく、オンライン技術でかかりつけ機能を発揮できるのに時代錯誤だ」と困惑する。

 薬局業界にとっては災厄ともいえる報酬引き下げだが、患者にとっては医療モール内薬局を利用すると窓口負担額が減るため朗報になる。調剤基本料が最も高い地域に根ざした「かかりつけ型」の470円と比べると、医療モール内薬局は約6割も安く済む。

 これだけ調剤基本料に差が付くとかえって医療モール内薬局に多くの患者が集まりそうだが、厚労省の担当者は「実際には薬代などもかかる。医療モール内薬局を利用した際の窓口負担額はかかりつけ型より数十円安いぐらいだ」と冷静に語る。

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