
第2次高市早苗政権で再任された片山さつき財務相が政権の”守護神”になりつつある。
先の衆院選で圧勝した高市首相「一強」の中で、政権の「弱点になりかねない」(官邸筋)とされているのが財政運営だといわれ、「責任ある積極財政」のかじ取りを担う片山氏の手腕が注視されている。というのも選挙後、首相の関心は防衛力強化や憲法改正といった「悲願の達成」(同)に傾き、経済財政運営に関しては、片山氏にゆだねる場面が増えるとの見方が強まっているためだ。
片山氏も周囲に「米国との連携や市場との対話、国民への説明はしっかり対応している」と語るなど、自身の手腕に自信を深めている。
片山さつき・財務相
片山氏は2月20日、総額122兆3092億円の2026年度予算案を国会に提出したのに伴って、衆参両院本会議で財政演説を行い、責任ある積極財政について「先を見据えた財政政策だ」とし、「決していたずらに拡張的に規模を追求するものではない」と強調した。
首相は3月末までの成立を目指す方針を示しているのに対し、一部野党は反発しているが、物価高対策を盛り込んだ26年度予算の年度末成立がずれ込めば国民生活に響く可能性があるだけに、野党も声高に反対しにくいのが実態だ。
焦点は、飲食料品の消費税率を2年間に限りゼロに引き下げる首相の公約実現に向けた道筋だ。一度税率を下げると元に戻すことが難しくなることもあり、国内外の有識者や金融市場では日本の財政規律への懸念がくすぶる上、物価高対策としての効果も薄いと指摘する声は多い。
この点を財務省は追い風にしたいところだが、選挙で大勝し勢いづく首相と、その首相との密な連携をアピールする片山氏を前に、今の財務省は「なすすべがない」(主計局)状態だ。
