サイボウズは3月10日、ホクレン農業協同組合連合会(以下、ホクレン)の「kintone」活用事例を公開した。ホクレンはドローンによる農薬の請負散布業務において、ホクレン・JA・散布業者の3組織間で発生する農薬請負散布の受発注を可能にするアプリを作成した。

外部組織と共同編集ができるゲストスペースを活用しながら、請求内容照合の所要時間を5~6時間から15分に短縮し、事業規模は従来の3倍に拡大できたとのことだ。

  • kintone導入前後の変化

    kintone導入前後の変化

kintone導入の背景

ホクレンはJAグループ北海道における経済事業を担い、販売事業・購買事業・営農支援を展開している。

長期ビジョン「Vision2030」の実現に向けて現場主導の業務改革を進める中、生産者の負担軽減や労働不足の対策として開始したドローンによる農薬の請負散布業務では、3組織間の電話・メール・Excelを中心としたアナログな運用が行われていた。

そのため、どれが最新版か分からなくなる混乱やフォーマットの混在が生じ、請求内容と散布内容の突合に時間を要するなど、業務の伸び代が課題になっていたという。そこで、農薬散布業務における事務作業の効率化を図るため、ノーコードで開発ができ、ゲストスペースを活用して外部との連携も可能なkintoneの利用を開始した。

5000件規模の契約書作成を自動化

ホクレンは会外のメンバーを招待して情報共有できるゲストスペースを活用して、30もの組織と安全に情報共有できる環境を整備。外部連携プラグインも含めて100社以上の関係先とつながっている。

法改正によって約5000件の生乳生産者との契約が必要となる中、入力情報から契約書を自動生成できる仕組みをkintone上に構築した。

また、kintone上でAIが登録内容と添付書類を自動照合し、評価業務の自動算出や受理報告メールの自動作成・送信までを一貫して実行するアプリを自作した結果、234時間の労働時間の削減とミスゼロを達成したという。

事業者は24時間いつでも内容を確認・修正できるようになり、問い合わせの減少にもつながった。書類管理の負担も解消され、現場の心理的な負担軽減と業務スピードの向上を両立した。

  • 請求書出力用アプリの画面例

    請求書出力用アプリの画面例

情報共有ポータルを起点にグループ全体のDXを加速

ホクレンのデジタル推進課では「デジタルシフト相談会」を通じて現場課題を直接収集し、会外との連携や市民開発が求められる業務にはkintoneを、社内限定で高度なIT知見が必要な業務にはMicrosoft製品やRPAを用いるといった適材適所の方針で業務ツールを使い分けている。

2025年度からはグループ全体の業務改善支援を開始し、情報共有ポータルを起点にグループ会社への周知やDX(デジタルトランスフォーメーション)に役立つ情報発信を強化する。