KDDIは3月9日、基地局機能を維持するため、事前に基地局のバックアップ回線として準備したStarlinkのバックホール回線(携帯電話の基地局と最寄りの通信拠点施設をつなぐ中継回線)に、遠隔で切り替える機能の検証を2026年2月に完了したことを発表した。

この検証結果を踏まえ、同社は2026年度以降に重要な通信拠点やエリアにおける基地局強靭化対策を進める。また、復旧機材の拡充の取り組みを本格化させ、日本の通信インフラの強靭化に貢献する。

機能検証は総務省令和6年度補正予算「災害時における携帯電話基地局等の強靭化対策事業」として行われた。

取り組みの背景と概要

大規模な地震などの災害によって基地局まで接続する光ケーブルが切断した場合、被災した基地局に作業員が入り復旧作業を行う必要がある。過去の対応では、地震による道路の寸断や長期間の降雨による浸水などにより、対応に時間を要する場合もあった。

今回検証を完了した機能により、事前にStarlinkバックアップ回線を配備した基地局では、光ケーブルが切断されても現地に駆け付けることなく遠隔でバックホール回線をStarlinkに切り替えることができるようになった。そのため、迅速な基地局の復旧と通信環境の確保が可能になるとのことだ。

  • Starlinkのバックホール回線を活用するイメージ

    Starlinkのバックホール回線を活用するイメージ

復旧機材の拡充の取り組み

迅速に通信エリアを復旧するため、KDDIはStarlinkバックホール回線を利用した復旧機材(可搬型基地局や車載型基地局、船舶型基地局およびStarlink機材など)を2026年3月末までに拡充する。これにより、全国配備数は既配備と合わせ合計約330台となる。

また、同社は船舶専用の可搬型基地局を開発。これにより、船舶型基地局で海上からのエリア復旧を行う際に、波の揺れや風の影響を受けやすい船上でも可搬型基地局を迅速に搭載し安全に維持できるようになる。

なお、この取り組みの一部は総務省令和7年度「情報通信拠点機能強化支援事業費補助金」の交付決定を受けて配備する。

  • Starlink機材一式の活用イメージ

    Starlink機材一式の活用イメージ

  • 船舶搭載用 可搬型基地局

    船舶搭載用 可搬型基地局