永井靖二・関西経済同友会代表幹事 直撃インタビュー! 【第64回関西財界セミナーから】

自分事として課題を共有

 ─ まずは、今回の関西財界セミナーの感想を聞かせてください。

 永井 日本の最大の課題は人口減少だと思います。AI(人工知能)にしろ、外国人材の受け入れにしろ、全てのテーマが人口減少社会をベースにしているということで、会場では人手不足問題に関するリアルな意見を頂戴できました。

 また、今回初めてAIをテーマとして取り上げましたが、(AI制御のロボットなどを指す)フィジカルAIに対する関心も高いなど、AIを活用した生産性向上への真剣な取り組みの必要性を共有しました。

【令和7年度】財界賞・経営者賞 贈呈式

 やはり、経営者の皆さんが一堂に会して社会課題の解決に向けた議論を行うということで、多くの方が新たな気づきや知見を得られたと思いますし、非常に有意義な「場」になったと思っています。

 ─ 問題はここで議論したことをいかに実行していくかですね。

 永井 これは万博も同じで、大阪・関西万博の熱気や関西財界セミナーでの議論を一過性のものにしてはいけないと思います。ただ、今回の参加者の皆さんと話をしていると、自分事として課題を共有し、実行しようという意欲を感じましたので、そこは期待しています。

 ─ 関西経済の活性化にあたっては、いくつかポイントがあると思いますが、改めて、永井さんは関西の強みはどこにあると考えますか。

 永井 例えば、医療・ヘルスケアやエネルギーですよね。関西は高度医療の集積地で、大阪市内には、企業や病院、スタートアップが集まった未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross」(中之島クロス)があり、最先端の研究が行われています。万博期間中、医療見本市「ジャパン・ヘルス」が開催されるなど、会場の内外で多くのビジネス交流が行われ、国内外からの日本の医療に対する期待を感じました。

 今後も日本の成長領域を見極め、スタートアップの支援も含めて、国内外から投資や人材を呼び込んでいくことが大事だと思います。

日本のモノづくりに対する信頼性は大きな武器

 ─ 大企業とスタートアップの連携は進んでいますか。

 永井 進んではいるんですが、例えば、2024年、日本のスタートアップへの投資額は約7800億円で、片や米国は30兆円です。1ケタどころか、2ケタくらいスケールが違うのが現状で、日本だけでなく、海外からも多くの投資を呼び込めるよう、日本企業は自分たちの強みをさらに積極的にアピールしていくことが大事だと思います。

 また、エネルギー領域に関しても、水素と二酸化炭素から都市ガス原料となるe-メタン(合成メタン)をつくるメタネーション技術の実証や、日本発の技術で原材料を国内調達できる、薄くて曲がるペロブスカイト太陽電池の実用に向けた開発が進んでいます。

 この他、京都大学発ベンチャーの京都フュージョニアリングが核融合炉の研究開発を行っていまして、関西には将来的に期待できる分野が非常に多い。関西のポテンシャルを今まで以上に発揮できたらと思っています。

続きは本誌で