【総務省】都の「転入超過」縮小も 東京一極集中続く

総務省は、住民基本台帳に基づく2025年の人口移動報告を公表した。東京都は、転入者数が転出者数を上回る「転入超過」が6万5219人で全国最多。超過数は前年比1万4066人の減。東京都の転入超過が減るのは新型コロナウイルス禍だった21年以来、4年ぶり。東京23区で見ても、1万2309人減った。ただ、地方では進学や就職で都会に流出する若者が多く、東京一極集中の傾向は続いている。

 東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の転入超過数は12万3534人。前年より1万2309人減った。東京圏以外の三大都市圏では、大阪圏(大阪、京都、兵庫、奈良)が8742人の転入超過で、前年に比べ6063人拡大。名古屋圏(愛知、岐阜、三重)は1万2695人の転出超過だったが、6161人の縮小となった。

 東京以外で転入超過となったのは、埼玉、千葉、神奈川、滋賀、大阪、福岡の6府県。神奈川が最も超過数が拡大した。滋賀が転入超過に転じた。

 転出超過は40道府県に上り、山梨が転出超過に転じた。転出超過数が最も多いのは広島県で、9921人。福島県の7197人が次に多かった。転出超過数が最も増えたのは宮崎県だった。

 東京圏への転入超過数を男女別に見ると、男性が5万4670人、女性が6万8864人。年齢別(日本人移動者)では20~24歳が最も多く、8万443人、次いで25~29歳で2万3546人などとなった。

 国外からの転入者数は78万2165人、国外への転出者数は40万9592人だった。

 林芳正総務相は記者会見で、都市から過疎地域などに移り住んでまちづくりに取り組む「地域おこし協力隊」など、これまでの地方創生の取り組みについて「一定の成果が出ている部分もあるが、東京圏への一極集中の流れを変えるまでには至っていない」と指摘。地域と継続的に関わる「関係人口」の質的・量的な増大に向け力を入れる考えを示した。

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