PC Gamerは2月27日(現地時間)、「A new California law says all operating systems, including Linux, need to have some form of age verification at account setup|PC Gamer」において、米カリフォルニア州がコンピュータのオペレーティングシステム(OS)利用時にユーザーの年齢確認を義務づけたと報じた。

影響はWindows、macOS、Android、iOSに加え、各種Linuxディストリビューションと広範囲に及ぶという。

  • A new California law says all operating systems、including Linux、need to have some form of age verification at account setup|PC Gamer

    A new California law says all operating systems, including Linux, need to have some form of age verification at account setup|PC Gamer

未成年者保護に向けた取り組み

この法律はカリフォルニア州の議会法案1043号によって定められ、2027年1月1日に発効するという。法律の概要は次のとおり。

  • OSのアカウント設定時に、ユーザーの生年月日、年齢、またはその両方を要求するアクセス可能なインタフェースを提供する
  • 対象となるアプリケーションストアで利用可能なアプリケーションに対し、ユーザーの年齢層に関する情報を提供する
  • 特定のユーザーに関する情報を要求した開発者に対し、少なくともどの「カテゴリー」に該当するかを識別し、合理的かつ一貫性のあるリアルタイムAPIを介して情報を提供する

この法律が定める「カテゴリー」とは、ユーザーの年齢を「13歳未満」、「13歳以上、16歳未満」、「16歳以上、18歳未満」、「18歳以上」の4つのグループに区分けした情報とされる。

要約すると、OSは2027年以降、ユーザーの年齢を確認し、年齢が4つのカテゴリーのどれに属するかをアプリ開発者に提供することを義務づける内容となる。アプリ開発者はこの情報をもとに、年齢層に合わせた機能などを提供することになる。

近年は未成年者を保護する取り組みが世界中で広がりを見せており、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS: Social networking service)の年齢制限が義務化されるなど、各国でさまざまな法律が制定されている。今回の件はこの動きに合わせたものとみられ、プラットフォームの切り替え(AndroidからLinuxなど)による規制の穴を埋める目的があると推測される。

Linuxコミュニティで物議を醸す

Microsoft、Apple、Googleなどの主要なオペレーティングシステム開発企業は、それぞれアカウント作成時に年齢確認を求める仕組みを導入しており、この法律の影響は軽微と予想される。

しかしながら、サーバ向けに開発が進められてきたLinuxには年齢確認の仕組みがなく、コミュニティからは影響を懸念する声が上がっている。各フォーラムやメーリングリストでは、法律の実効性を疑問視する意見や、カリフォルニア州における利用を禁止することで法律を無力化する意見などがみられ、議論はまとまりを欠く状況だ。

法律の実効性については、オープンソースソフトウェア(OSS)というLinuxの特徴が技術的な課題として指摘されている。何かしらの方法で正しい年齢確認が可能だったとしても、コードの一部を改変することで容易に年齢制限を回避できるためだ。技術面で実効性に疑問の残る法律だが、世界的な流れはさらに広がるものと予想されている。

なお、BSD系の流れをくむ開発規模の小さい「MidnightBSD」は、同法律への対応を先送りにする決定を行い、カリフォルニア州におけるデスクトップ用途の利用を禁止する項目をライセンスに追加している。