
日本の企業が持っている技術をどう世界に発信していくか─。これが2013年に私が当社を創業したときから変わらないテーマです。私は1988年から2001年までの12歳から25歳を英国で過ごしました。
1988年当時、バブル崩壊直前ではありましたが、ロンドンでは日本人がデニムなどに熱い視線を注いでこぞって買って帰る姿で溢れていました。それまで海外の人々にとっては単なる古い洋服に過ぎなかったものが日本人によって価値のあるものに変わったのです。いわば日本人がビンテージという新たな市場をつくったのです。
この目の当たりにした原体験が「日本企業が世界で戦う力を取り戻す」という仕組みを提供する当社の新サービス「クリエイティブ・グロース・サービス」につながっていきます。
私自身は英国の大学在学中にブリティッシュ・エアウェイズで仕事をし始め、2000年の帰国後に日本の広告代理店に入社してダイソンやナイキなどのコミュニケーションをサポートする仕事に携わりました。
外資系企業の日本におけるブランドの展開の仕方に身を置いてきたわけです。そこから本格的にブランド事業を学ぼうと、08年にリーバイスに転職してマーケティングディレクターを務めました。外から日本を見ていると、例えばエルメスが京都の織物を求めにフランスから京都まで足を運んでいるという事実を知り、「日本は宝の山だ」と強く感じるようになりました。
しかしながら、京都の織物屋はどんどんなくなり、日本の国際競争力は落ちていくばかり。潜在力を持っているにもかかわらず、このまま日本丸が沈没してしまっていいのでしょうか。私は決してそうは思いません。人口減少に直面しているといっても、1億2000万人もの人がいる経済圏で、国内総生産で世界第4位に位置する平均点の高い国は世界を見渡しても、そうはありません。
では、日本の競争力の源ともいえる日本企業の課題とは何なのか。私は日本企業が持っているブランド力を海外に発信できるようなマーケティング思考ではないかと考えています。これまでの日本はあまりにもものづくりに集中しすぎてしまったために、欧米企業のようなマーケティングの力を養ってきませんでした。簡単に言えば、ものづくりに特化しすぎていたのです。
食べ物やアニメ、伝統工芸、四季など、日本には日本固有の財産があります。そもそもブランドをつくることができる国というのは、歴史があり、成熟した文化がなければできません。ですから、日本企業が自らの商品やサービスに、いかにブランドストーリーを絡ませることができるかどうかが勝負になります。
当社のクリエイティブ・グロース・サービスはアジア圏にとどまらず、欧米市場への展開を志向する日本企業に対して、〝ブランドとしての本質を守りながら、売り上げにも責任を持つ〟という考え方のもとで設計された当社独自の実装型サービスになります。従来のコンサルティングや広告代理店の領域を超え、販売・流通開拓を含む実行フェーズまでを担うブランド成長のための統合サービスになります。
当社は欧米を中心として70社以上の小売業者との直接営業パイプを持っており、シニアポジションでのグローバルビジネスの経験を有する外国籍のマーケティングの専門家も多数在籍しています。商品などのモノではなく、それを生み出す企業の哲学で勝負する─。そのお手伝いをしていきたいと思っています。