アサヒビール、サイバー攻撃で昨年10~12月の売上高が2割減

9月のサイバー攻撃被害により繁忙期の業績に大打撃

 昨年9月29日にアサヒグループホールディングス(GHD)を襲ったサイバー攻撃。同社はこれによる影響について、2025年10~12月の売上高の概算が前年同期比で2割弱の減少となったと発表した。

 ビール会社にとってはお歳暮の時期と、宴会シーズンの最も繁忙期に、ビールの出荷が滞ったことは大きな痛手となった。しかし、攻撃から2日となる10月1日から、手作業による受注を開始できたことは同社の組織力の強さであった。現在出荷ペースは注文から中2日となっているが、2月中には通常の中1日体制に戻る予定。

 サイバーセキュリティの専門家は、昨今のサイバー攻撃についてこう語る。

「AI(人工知能)の進化でサイバーアタックの質が世界中で変わった。バックに国がついていることもあり、他国に対する経済制圧兵器として使われている。攻撃から身を守るためには、AIージェントを訓練し、防御の精度を高める必要がある。グローバル展開している企業にとっては、サイバー攻撃への対策は大きな課題である」

 今回のアサヒGHDの被害により、競合他社の商品に切り替えたという飲食店も少なくない。同社を除く大手3社の25年の国内ビール類飲料の販売数は減少し、ビール市場は毎年縮小傾向にある。

 この厳しい事業環境のもと、社長の勝木敦志氏には、早急な信頼回復と損失分の挽回に向けた施策が求められる。

 サイバー攻撃は世界中で毎分毎秒ごとに起きており、対岸の火事ではない。日本企業、国全体でも、サイバー攻撃は経済制圧兵器という意識で攻撃からの守りを強化していかなければならない。