東京都足立区とNEC、グーグル・クラウド・ジャパンは2月2日、全国に先駆けた取り組みとなるEBPM(証拠に基づく政策立案)推進に向けた実証実験を開始すると発表した。

実証実験の概要

複雑化する地域課題に対し、これからの自治体には限られた資源で最大限の効果を出す「データに基づく行政運営」が求められており、足立区ではこれまでもEBPMを推進してきたが、膨大な統計データや多岐にわたる施策の相関分析には高度な専門スキルと多大な時間を要することが課題だったという。

足立区は2025年9月5日に包括連携協定を締結したグーグル・クラウド・ジャパンと課題解決に向けた検討を進めてきたが、今回プロジェクトパートナーとしてNECが加わり、三者連携でユーザーの目的達成に向けて自律的に判断し、最適な手段を選んでタスクを実行するAI技術(AIエージェント)を活用したEBPM推進に向けた実証実験に取り組む。

実証実験ではNECの最先端AI技術を導入し、区の職員がAIと対話しながら迅速に政策の進捗把握や効果検証を行える環境を構築することで、行政経営の質を向上させ、区民サービスの最適化を図る。

まず、足立区が最重要施策の1つとして注力してきた「防犯施策」を対象に着手し、実証の有効性や実用性を確認したうえで、防犯施策以外の新たなテーマへの挑戦とEBPMモデルの構築を目指す。

  • 防犯ダッシュボードのイメージ

    防犯ダッシュボードのイメージ

具体的にはAIエージェントを搭載したデータ分析基盤「政策ダッシュボード」を構築し、各種項目を検証する。項目は、(1)AIエージェントによる自動分析・提言で職員が「〇〇に関する現状と課題を教えて」と入力すると、AIがダッシュボード内のデータを分析。データの提示とともに改善に向けた示唆をテキストで回答する。

(2)多角的なデータの可視化では、区独自の内部データと外部データを統合し、マップ上やグラフでデータを可視化。(3)政策立案プロセスの効率化検証については従来のデータ集計・分析業務に要していた時間をどれだけ削減できるか、また分析の精度がどう向上するかを定量的・定性的に測定する。

AIエージェント搭載の政策ダッシュボードの特徴は、複雑な分析ツールを操作することなく、自然言語(日本語)での対話を通じて、必要な情報を即座に抽出するほか、単なる数値の表示に留まらず、複数のKPI間の関係性を推論し、ボトルネックとなっている要因を特定するという。

将来的には、今回のモデルを他の自治体へも展開可能な「次世代行政経営モデル」として確立し、地方自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)、EBPMの普及に貢献していきます。