
資金、資産、資本の 好循環の実現を
「日本の金融界は大きな歴史的転換点を迎えている。長らく続いたデフレからインフレへの転換、金利ある世界の復活、日経平均株価の5万円超え。日本は失われた30年から脱却に向け、再び成長軌道に乗る極めて重要な局面にある」─こう話すのは、三井住友トラストグループ次期社長の大山一也氏。
2025年12月23日、三井住友トラストはトップ人事を発表した。三井住友トラスト社長の高倉透氏は会長に、社長には三井住友信託銀行社長の大山氏が昇格。また三井住友信託銀行社長に専務執行役員の米山学朋氏、会長には同じく専務執行役員の佐藤正克氏が就く。
三井住友トラストはこれまで『資金、資産、資本の好循環の実現』を掲げて、資産運用・資産管理ビジネスに注力してきた。
「少子高齢化が進み、資源も限られる日本にとって、個人金融資産2200兆円を始めとする豊富な資金は、未来を開くための確かな希望」(大山氏)
三井住友トラストは銀行として金融市場、不動産を始めとする資産市場、有価証券を通じて資本市場という形で資金、資産、資本のあらゆる市場に関わる。
26年度から新たな中期経営計画が始まるタイミングでのトップ交代。今後は、政策保有株式の売却などを含めて積み重ねてきた資本を活用し、資産運用分野などでM&A(企業の合併・買収)や提携で成長を図る考え。
大山氏の原点には、1999年3月の旧住友信託銀行への公的資金注入がある。「生存本能を研ぎ澄ませておかないと、いつ潰れてもおかしくない」という緊張状態の中、金融再編に直面。
メガバンクグループに属さない独立系の信託銀行グループであり続けるためにも、成果が求められる。