
貴重な労働力として注目を集めるフリーランス。1300万人を超えると言われるフリーランスが企業経営にとって重要な戦力となっていることは間違いありませんが、一方でフリーランスの労働環境保護を目的に施行された「フリーランス新法」の法令違反が後を絶えません。
広告業界、出版業界、楽器業界など、多くの業界で企業を対象とした公正取引委員会による行政指導・違反勧告が増加。特に多いのは発注時の取引条件の明示に関する指摘や期日における報酬支払い義務への指摘など。フリーランスの約4割がトラブルを経験するなど働き手の保護が課題に。しかし、実態を分析すると、法令違反は「うっかり違反」のケースが多いのです。
各部門がバラバラにフリーランスに業務の発注を行ってしまうために管理が行き届かず、うっかりミスや確認漏れによって報酬の支払いが遅れるのです。多くの企業では1企業として俯瞰した業務委託を管理する仕組みが不十分で、エクセル等を使ったアナログな管理がされている実態が未だに多くあります。
企業側も社内研修をはじめ、啓発・周知を行っており、法令遵守に対する意識が低いわけではありません。それでも、いざ業務を発注しようとしたタイミングでチェックすべき項目も多く、純粋に抜け漏れが発生してしまうケースは往々にしてあります。一方で、フリーランス側も常に法令の詳細を把握しているとは限らず、企業側に対して適切な是正を求めることが難しい場面も少なくありません。法令は頻繁に変わるものではありませんが、働き方や取引慣行の変化に応じてフリーランスに関わる制度整備は今後も段階的に進んでいくことが想定されます。
こういったリスクを防止するためにはシステムによる仕組み化が最も有効です。属人的なプロセスだけでは漏れや誤記を防ぎきることはできません。そこで2019年設立の当社は業務委託の管理クラウド「Lansmart by SmartHR」を開発して提供しています。
このサービスは煩雑な業務委託管理を自動化し、システム側で法令違反の予防ができます。具体的には発注する企業と業務委託先(個人・法人)の契約から稼働管理や業務報告書、請求書のやり取りまでを一元管理し、手間のかかる消費税や源泉徴収税の自動計算等もシステム内で行うことが可能になります。
法令についても、フリーランス新法だけではなく、下請代金支払遅延等防止法(現中小受託取引適正化法=通称:取適法)、インボイス制度、電子帳簿保存法などにも対応しています。クラウドによって自動的に法改正の内容もアップデートされるため、法令違反を防止すると同時に業務効率化にも寄与できます。
このサービスの根底には、労働人口減少社会の中で、正社員だけでなく業務委託や副業人材との協業は不可逆的な流れになるという思想があります。当社のサービスを導入した企業では、納品日から60日を超える発注書の送付や支払期日を超過するリスクがある案件には事前にまとめてアラートを表示します。
大学卒業後、オプトに入社し、15年にGameWithで人事担当役員などを経験。ゲーム業界では業務委託も多く、その都度、管理の煩雑さに非常に苦労してきました。25年4月からはHRテックのSmartHRのグループ会社となりました。
業務委託領域における非効率や摩擦をテクノロジーの力でいかになめらかにし、働く人の価値ある時間や豊かさを実現していくか。多様化する働き方に今後も対応していきます。