米Anthropicは1月12日(現地時間)、生成AI「Claude」に新たなAIエージェント機能「Cowork」を追加した。開発者向けツール「Claude Code」の技術をベースに、プログラミングの知識がないユーザーでも日常業務でClaudeを活用できるよう設計されている。現在は「リサーチプレビュー」として、最上位プラン「Claude Max」の加入者向けに、macOS版アプリで利用可能となっている。

Coworkは、ユーザーが任意のフォルダを指定し、その範囲内でClaudeがファイルを扱い、ユーザーの指示に基づいてタスクを遂行する。

具体的な活用例として、Anthropicは以下のような用途を挙げている。

  • デスクトップ上のファイルを分類し、ファイル名を付け直して整理する
  • レシート画像から支出内容を抽出し、一覧表を作成する
  • 散在するメモから報告書の叩き台を作成する

Coworkは作業開始時に計画を立て、進捗を報告しながらタスクを進める。ユーザーは作業の進行状況を随時確認でき、途中で追加の指示や修正を加えられ、複数のタスクを平行して実行することも可能。Anthropicは「逐一細かな指示を出す必要はなく、同僚にメッセージを残すような感覚で使える」と説明している。

Cowork提供の背景には、開発者向けに提供してきたClaude Codeが、プログラミング以外の用途でも使われ始めたことがある。Anthropicはこうした利用実態を踏まえ、「開発者に限らず、誰もがClaudeを同じように活用できる、よりシンプルな手段としてCoworkを開発した」としている。

従来の生成AIは、文章やデータを生成しても、その保存や体裁調整、ファイル管理といった最終工程はユーザーが担う場面が多かった。Coworkは、そうした最後の作業工程まで含めてAIが担うことで、実務をより直接的に支援する方向性を示している。

一方で、Anthropicは利用にあたっての注意も呼びかけている。指示内容によってはローカル環境に保存されたファイルの削除など、元に戻せない操作が実行される可能性がある。このため、ユーザーは曖昧な表現を避け、明確かつ具体的な指示を与える必要がある。

また、「プロンプトインジェクション」と呼ばれるセキュリティ上のリスクも存在する。これは、Webページなどに埋め込まれた悪意あるテキストをAIが読み取ることで、本来意図しない動作を引き起こさせる攻撃手法である。 Anthropicは対策に努めているが、AIエージェントの安全性確保は「業界全体でまだ発展途上の分野である」との認識を示している。

同社はヘルプセンターでCoworkを安全に使用するためのガイドラインを公開しており、特に利用開始直後は慎重な運用を心掛けるよう呼びかけている。