【2026年をどう占いますか?】 答える人 東宝社長・松岡宏泰

劇場でも日本アニメが 国境を越えて大活躍

 ─ 25年の映画興行はアニメ作品の大ヒットが目立ちました。東宝社長の松岡宏泰さん、アニメ作品はいま映画興行の稼ぎ頭になっていますね。

 松岡 そうですね。特に25年は劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』と『チェンソーマン レゼ篇』が記録的ヒットとなりました。北米の映画界で全米ナンバーワン大ヒット作品の中に日本の映画が入るのは至難の業。しかし25年は、この〝全米ナンバーワン大ヒット〟作品に日本アニメが2作もあるんです。

 アニメを含め日本のIP(知的財産)というのは、世界ナンバーワンになれる映画やコンテンツをどんどんと輩出していますし、今後もそういった機会が増えていくのではないかと思います。

 ─ インターネットや配信と融合して、全世界に向けてさまざまな試みができますね。

 松岡 ええ。今までですと、例えば米国の映画館で上映した作品は、上映後にブルーレイ、DVDとして販売するのが一般的でしたが、今は配信があるので、ネットにつないで、いつでもどこでも観ることが可能です。熱狂的なアニメファンたちは何回も観ますから、われわれの企画が充実すればするほど、ファンの熱も長く保てるのです。

 お気に入りのアニメの新作映画が次に出るまでの間、イベントやマーチャンダイジング(商品化計画)のグッズを販売するなど、ファンを飽きさせない企画を打っていくことが重要だと思います。

 ─ 配信のおかげもあって日本のコンテンツが世界に急速に広がっていますが、いろいろな規制がある中国市場はどう見ていますか。

 松岡 中国はすごく大きな市場ですし、他のアジアの国と比較しても、1人当たりが使えるお金は増加しています。でも、70年の歴史のあるゴジラも、これまで正式に中国で劇場公開したのは、実はハリウッド版しかありません。

 10月に日本の有名なIPを多数扱ってきた上海の上海新創華文化発展有限公司(SCLA)という会社と事業提携をしましたので、今後、彼らと一緒にゴジラのマーチャンダイジングを展開して、中国ビジネスの第一歩を踏み出す予定です。

 ─ 新たな挑戦、開拓を進めていくということですね。松岡さんがいま社員に投げかけている言葉はどんなことですか。

 松岡 25年にグループスローガンを「Moments for Life その時間が、人生の力になる。」に刷新しました。われわれの仕事は、人の人生に彩りや活力を与えることができるんだと。だから誇りを持って仕事をしようというメッセージを出しています。