
日本IBM出身者では2人目
約3カ月にわたる代表幹事の空白期間が解消される。経済同友会の次期代表幹事に日本アイ・ビー・エム(IBM)社長の山口明夫氏(61)が就任する。
「非常に柔和だが、芯を持って腹を決めて発信する」─。代表幹事代行の岩井睦雄氏(JT会長)は山口氏を評する。同友会OBも「歴代・現在の副代表幹事の中でも、出身企業の規模感、年齢、これまでの言動から山口氏への期待感は大きかった」と話すように、かねてから本命視されていたようだ。
関係者によると、山口氏は一度は代表幹事就任の打診を断ったとされている。しかし、「今の局面を打破し、新しい世界に向かって頑張っていこうという決意を会員の皆さんから聞く度に、最終的にそういう気持ちになった」。日本IBM出身の代表幹事は03~07年の北城恪太郎氏以来の2人目となる。
山口氏は和歌山県紀の川市の農家の長男として生まれ、県立那賀高校時代に、将来主流になることが確実なコンピュータを学ぼうと大阪工業大学に進学することを決めた。講義では、米IBMが開発した世界最初のコンピュータ用高水準言語を使ったプログラミングなどを学んだ。
日本IBMではシステムエンジニアとして金融機関のシステム開発などを担当。入社13年で社長室の経営企画スタッフに抜擢され、05年の米IBM役員補佐を経て、07年以降は日本IBMで理事、執行役員、常務、専務、取締役と出世街道を駆け上がり、米IBM本社の経営執行委員の1人にもなった。
前代表幹事・新浪剛史氏の辞任騒動で「歯に衣着せぬ同友会の立ち位置が不透明になっている」(前出OB)。新トップの専任に当たっては同友会内部での分裂も懸念された。そんな中で山口氏が目指す姿は「結果にこだわる同友会」。自らが得意とするテクノロジーが進化する一方で、「社会課題が深刻化している。課題解決だけでなく、こういう世界になればということを考えて発信したい」と述べる。
グローバルな視点を持ちながらも国内の社会課題解決に向けた具体的な方策づくりが求められる「山口同友会」となる。