Google ChromeやMicrosoft EdgeなどWebブラウザの拡張機能がAIチャットのデータを収集し、第三者と共有または商業利用しているとして問題になっている。
例えば、無償でVPNアクセスを提供する「Urban VPN Proxy」は、730万以上のユーザー数を抱え、問題があると指摘されているすべての拡張機能のユーザーを合計すると800万に上ると言われている(参考記事:ChromeやEdgeの拡張機能がAIチャットの会話を収集、800万ユーザーに影響)。
そこで、Mozilla FoundationがAIチャット利用時の注意点をまとめている「How to Protect Your Privacy From ChatGPT and Other AI Chatbots」をもちに、AIチャットのデータが盗まれることを防ぐ方法を整理してみよう。
ログインしないで使う
Copilot、Meta AI、ChatGPTといったAIチャットの多くはアカウントを作らなくても使うことができる。ログインしなで利用すれば、個人情報や個人に関連付けられる情報の収集量を制限することができる。これにより、プライバシーが守られる可能性が高くなる。
ただし、無料版は機能が制限されていることもあるので、注意が必要。
サードパーティのアカウントを使わない
アカウントを作成する場合、GoogleやFacebookといったサードパーティアカウントを流用する方法があるが、それは避けたほうがいい。他のサービスのアカウントでログインすると、AIチャットがそのサービスと個人情報をやり取りする機会を与えてしまう可能性がある。
ただ、Apple IDは問題ないという。というのも、Appleでサインインすると、AIチャットボット企業からメールアドレスを非表示にするオプションがあるからだ。エイリアス(偽名)も使用すれば、AIアプリによって保存されるデータが関連付けられるのを防げるという。
自動データ共有をオフにする
AIチャットが位置情報、写真、マイク、カメラに常にアクセスすることを防ぐよう、スマートフォンやWebブラウザの設定で自動データの共有をオフにする。
Webブラウザでは通常、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」でWebサイトの権限を確認できる。なお、スマートフォンよりもブラウザで設定するほうがプライバシー保護の観点からはよいそうだ。
ChatGPTのメモリからデータを消去する
ChatGPTはメモリを用いることで、名前、興味、好みなど、ユーザーに関する具体的な情報を記憶する。このデータはセッションを超えて保持され、AIの応答をパーソナライズするために使用される。
AIがアプリ内で記憶した内容は、「設定」→ 「パーソナライズ」→「メモリ」で確認できる。ここでデータを削除できる。
ChatGPTでTemporary Chatを使用する
ChatGPTには、Webブラウザのシークレットモードに似た「Temporary Chat」がある。AIと機密事項について話したい場合、このモードを利用することでリスクを軽減できる。
チャットの内容は履歴にもメモリにも保存されず、モデルの学習にも使用されない。セッションが終了すると、その内容は消去され、復元することはできない。
ただし、OpenAIは、セキュリティ上の理由から、Temporary Chatのコピーが同社のサーバに最大30日間保存される可能性があると警告している。
なお、そもそもの話になるが、AIチャットを利用する際、個人情報を提供するのは避けたほうがいいだろう。個人情報に加えて、他人に見られたくない情報(写真、音声メモ、文書など)も共有しないことが推奨されている。
Mozilla Foundationは「インターネット上で100%安全またはプライベートなものは存在しません」と忠告している。プライバシーが侵されるリスクを回避する位は、注意するに越したことはない。


