iRobotは12月14日(現地時間)、米連邦破産法第11条の適用を申請したと発表した。これは日本の民事再生法に相当するもので、今後は裁判所の監督のもとで再建手続きを進めることになる。同社は同日付で、主要な債権者であり製造パートナーでもある中国の「Shenzhen PICEA Robotics」および「Santrum Hong Kong」(以下、総称して「Picea」)との間で再建支援契約(RSA)を締結したことも発表した。
製品供給や顧客サポートは継続の見込み
iRobotが締結した再編支援契約は、PiceaがiRobotの株式持分の100%を取得する枠組みとなっている。これによってバランスシート上は同社の負債比率が下がり、今後も通常通りの事業運営を継続することが可能になるという。この契約に基づいてiRobotは、裁判所監督下の再建手続き中も通常の事業活動を維持し、引き続き製品サポート、顧客支援、アプリ機能の提供、供給網の確保などを行っていく意向を示している。
手続き完了時期の目安は2026年2月とされているが、最終的には裁判所の判断に委ねられる。現在発行済みの普通株式は裁判手続きで取り消される見込みであり、これを保有する株主には持分の回復が見込めないとされている。この結果、会社はNASDAQなどの証券取引所から上場廃止される可能性が高いとのこと。したがって、再建手続きの完了後、iRobotはPiceaの完全所有の非公開企業となる。
iRobotはこれまで家庭用ロボットの開発・販売を手掛けており、特に自動掃除ロボットではいち早く市場を築き上げたパイオニアだった。しかし、競争の激化や市場構造の変化、製造コストの増加、財務上の制約などといった複数の条件が重なったことが経営の悪化につながったとされている。
今回同社は、外部パートナーとの関係を再構築しつつ、財務健全性の改善を図る必要性に言及している。Piceaは長年の製造パートナーとして深い関係にあり、これを基盤とする統合の道が模索されたという。
前述のように、再建手続き中および再建後のiRobotでも、顧客向け製品やサービスの提供は維持する予定であり、技術開発やブランド活用も継続していく計画となっている。短期的には再建手続きの完了が焦点となるものの、中長期的には効率的な製造体制と安定した資金基盤を前提とする経営が求められることになるだろう。
