日本製鉄は12月5日、三菱造船と共同で、低圧液化CO2タンク向けの新鋼材と、製造工程で行われる熱処理(PWHT)を省略できる製造技術を開発したと発表した。あわせて、この技術を適用したLCO2貨物タンクが、日本海事協会から世界初の一般設計承認(GDA)を取得したという。
開発の背景
同社によると、脱炭素社会の実現に向けたCCS(二酸化炭素回収・貯留)プロジェクトの進展に伴い、LCO2運搬船の大型化ニーズが高まっている。
一方、従来のタンク製造では溶接部の品質確保のために約600度の熱処理(PWHT)が必須であり、大型タンクの製造には巨大な熱処理炉が必要となるなど、設備や工期に課題があった。
技術の詳細
そこで日本製鉄は、低温靭性に優れた高強度鋼材「KF460」を開発し、タンク向け材料として提供。三菱造船が持つ破壊力学に基づく評価手法「ECA」と組み合わせることで、PWHTを省略しても安全性が確保できることを確認した。
この技術により、製造期間の短縮やコスト削減に加え、熱処理炉のサイズに左右されないタンクの大型化が期待できるとしている。
同社は今回のGDA取得を受け、高機能鋼材の供給を通じてLCO2運搬船の建造能力強化を支え、CCSバリューチェーンの構築に貢献していくとしている。

