双日テックイノベーション(STech I)は11月28日、企業のAI活用を加速する「データ&AI構築パッケージ」の提供を開始した。
「データ&AI構築パッケージ」提供の背景
生成AIの急速な普及で企業のAI活用は新たな局面を迎えており、IDC Japanの調査では国内AIシステム市場は2024年~2029年にかけて年間平均成長率25.6%で推移し、2029年には2024年比3.1倍の4兆1873億円に達すると予測されている。
一方で、AIの本格活用には大きな課題が存在し、主な課題として適切なデータ基盤の欠如、セキュアな開発環境の構築難易度、データガバナンスの複雑さなどが挙げられている。多くの企業で専門人材の不足や構築期間の長期化でAI活用の機会損失が発生しているのが現状だという。
こうした背景を受け、STech Iは企業のAI活用を加速するデータ&AI構築パッケージを開発。同パッケージは、Microsoft AzureのAI技術とDatabricksの統合データ基盤を融合することで、AI開発環境の構築期間を従来の数カ月から約2週間に短縮する。
「データ&AI構築パッケージ for Azure OpenAI」の特徴
同パッケージは「データ&AI構築パッケージ for Azure OpenAI」と「データ&AI構築パッケージ for Azure Databricks」の2つで構成されており、単独での導入も可能だ。
両パッケージを組み合わせることで、Azure OpenAIとDatabricksがシームレスに連携し、社内データの一元管理から、AIによる情報抽出・対話・分析・予測までをワンストップで実現するAI Readyな基盤を迅速に構築できるという。
データ&AI構築パッケージ for Azure OpenAIの主な機能として、Microsoft AzureのAI関連技術を組み合わせることで、高品質なAI開発環境を短期間で導入できるためデータサイエンティストやエンジニアはインフラの構築や運用を気にすることなく、本来の開発業務に集中することを可能としている。
また、社内に蓄積された文書やナレッジベースをもとに、AIが自然な対話形式で質問に回答し、業務をサポートし、よくある質問への自動応答や業務マニュアルの検索、チャットボット機能などを通じて、社内情報の活用効率が向上するという。
さらに、インターネット経由での接続に加え、今後は企業内ネットワークからの接続(Private接続)にも対応を予定。ユーザー管理やアクセス権限の設定も柔軟に行えるため、各企業のセキュリティポリシーに合わせた運用が実現できるとのこと。
「データ&AI構築パッケージ for Azure Databricks」の特徴
一方、データ&AI構築パッケージ for Azure Databricksの主な機能として、Databricksはデータレイクとデータウェアハウスを一つにまとめたレイクハウスの仕組みを採用している。
社内外のあらゆるデータを一箇所に集約し、AIモデルの開発から実際の業務での運用まで、すべてを一貫して行うことができる。
加えて、Databricksを活用したAI開発により、データの傾向分析、通常とは異なるパターンの検知、将来の予測など、高度な分析が可能になるため、経営判断や業務判断を確実なデータにもとづいて行えるという。
今後は機能拡充や高度なAI・データ分析サービスを追加
STech Iは、自社での活用のほか、顧客へのDatabricks導入を支援してきた実績があり、経験とノウハウを活かして独自開発のテンプレートで環境構築を迅速に進めることを可能としている。さらに、運用マニュアルや管理者向け説明資料も標準で提供するため、導入後もスムーズに運用を開始でき、短期間で安定した環境を構築するとしている。
2つのパッケージを組み合わせることで、データの収集・整備からAIエージェントの開発、モデルによる推論まで、一気通貫のワークフローを実現。Databricksは大規模データの統合管理と変換処理に優れ、Azure OpenAIは最先端の自然言語処理および生成AIモデルを提供する。
また、Azure OpenAIとDatabricksの両方から共通のナレッジベースを活用できるため、データのインプットからアウトプットまで、一貫したAI技術の活用が実現。さらに、Databricksが提供するデータガバナンス機能により、AIモデルに供給するデータの管理とアクセス権限の設定が容易になり、企業内で安全にAzure OpenAIを活用することが可能になる。 接続方式は、Public接続版がインターネット経由で利用を可能とし、顧客自らが構築できるようにセットアップツールとマニュアルを提供する。今後、提供を予定しているPrivate接続版はVPNやExpressRoute経由で利用でき、Public接続版と同様に顧客自身が構築できるよう、セットアップツールとマニュアルを提供。
構築方式は顧客自身で構築する場合は、セットアップツール・マニュアル一式を提供し、顧客がAzure Portal上で環境を構築する。構築代行サービスは、STech Iが環境構築を代行し、リソースやスキルに不安がある場合に利用を推奨している。
今後、企業ネットワークからの安全な接続を可能にするPrivate接続版のリリースに加え、パッケージの標準機能拡充、高度なAI・データ分析サービスの追加を順次予定している。
