TISインテックグループのTISとAva Labsは10月28日、次世代のデジタル金融サービスであるステーブルコインやセキュリティトークンの発行と管理を支援する「マルチトークンプラットフォーム」を提供開始することを発表した。
このプラットフォームはAva Labsが提供するマネージド・ブロックチェーン基盤「AvaCloud」をベースに、EVM(Ethereum Virtual Machine)スマートコントラクトによるマルチアセットや、金融ビジネスに求められるセキュリティ・ガバナンス機能を備えた独自の鍵管理基盤を組み合わせて、さまざまな金融資産のトークン化に必要なプラットフォーム機能を提供する。
多くの関係者や複雑な業務プロセス、規制対応を要する資金移動や金融取引を効率化することで処理期間の短縮とコスト低減を実現し、オンチェーンでの取引拡大やマルチアセットを組み合わせた商品開発などの新たな価値を提供する。
プラットフォーム構築の背景
2020年代以降、次世代のデジタル金融サービスとして、ステーブルコインやアセットトークンへの注目が高まっている。グローバルではUSDT(Tether Limitedが発行する米ドルと連動するステーブルコイン)やUSDC(Circleが発行する米ドルと連動するステーブルコイン)を中心に、ステーブルコイン市場が成長している。米国では包括的なステーブルコイン規制法令であるGENIUS法が2025年7月に成立。
日本国内でも8月に金融庁によって国内初の円建ステーブルコイン発行が承認され、アセットトークンの代表格であるセキュリティトークンも不動産や社債を中心に発行が進むなど、ビジネスが本格化するフェーズを迎えつつある。
こうした状況の中、TISとAva Labsは2024年6月より協業を開始し、ステーブルコインなどに関するソリューションの実証、開発、マーケティングを進めてきた。2025年には国債トークン化の技術検証や、大手金融機関との将来のステーブルコイン事業化を視野に入れた共同検討、モビリティ資産(車両・サービス)の価値流通を目指したブロックチェーン構想への技術支援など、多方面で共同の活動を進めている。
今回、これらを通じて得た知見や技術を発展させる取り組みとして、ステーブルコインやセキュリティトークンの発行と流通を支える「マルチトークンプラットフォーム」の提供開始に至った。
マルチトークンプラットフォームの概要
「マルチトークンプラットフォーム」は、ブロックチェーン技術とミッションクリティカルな金融ビジネス基盤の運用ナレッジを融合し、ステーブルコインやセキュリティトークンなど金融機関や事業会社によるアセットの発行と管理を包括的に支援するサービス。
TISが国内の金融・決済システム知見を生かした基盤設計や導入および運用支援、Ava Labsがグローバルなブロックチェーン技術とトークン化知見を活用した基盤提供や技術サポートを担当する。
基本機能であるブロックチェーン基盤は、金融領域に強みを持ちステーブルコインやセキュリティトークンの先進事例が多く海外でも広く採用されている高速プラットフォームのAvalancheを採用している。
マネージド・ブロックチェーン基盤「AvaCloud」を活用し、クラウド型で簡易かつ早期に構築。発行事業者の専用チェーン構築、独自のコンセンサスアルゴリズムやアーキテクチャによる高速・安定した処理性能、他チェーン相互接続による拡張性などを提供する。
EVMスマートコントラクトはステーブルコインやセキュリティトークン発行のため、Ethereum上で動作するトークンの標準規格で互換性に優れたERC20トークンなどのコントラクトを提供。トークン発行と運用のデファクトスタンダードに対応した。
第三者により監査済の発行機能やブラックリスト機能など標準的な機能を実装企しており、業ごとのビジネス要件に応じたカスタマイズにも対応する。
また、高い安全性や内部統制を求められる秘密鍵の管理について、企業ごとのウォレット要件に応じた最適なソリューションを提供する。認証ポリシーに基づくトランザクション署名、OpenID Connectなどと連携したSSOや多要素認証、全ての操作・署名ログ保持などにより、安全な取引環境を実現するという。
