【創業120年】日本旅行社長・吉田圭吾「日本で最も歴史ある旅行会社として お客様を喜ばせるチャレンジ精神を発揮していきたい!」

コロナ禍で変わった旅行業界

 コロナ禍を経て旅行業界の景色は変わりました。団体旅行から個人旅行、OTA(インターネット上だけで取引を行う旅行会社)の台頭など、今までの我々の仕事はどうなるのかという点で大きな危機感を感じています。

 しかし一方で、旅行会社であるからこそ価値を提供できる領域も分かってきました。その1つが社会・地域貢献です。コロナ禍のワクチン接種関連事業では200超の国や自治体から事業受託を受けると共に、東京・大手町の会場では1日1万人規模の接種者に対応することができました。

 旅行会社として培ってきた会場運営やコールセンターの設置、ホスピタリティある接客などのノウハウがあったからです。これをMICE(会議・研修、報奨旅行、コンベンション、展示会・イベント)などにも広げていきたいと思っています。

 地域貢献の面では全国の学校と連携し、地元の高校生が地元の魅力を発信する教育旅行受け入れプログラムを開発しました。高校生がまだ知られていない地元の魅力を自ら探求し、プレゼンテーションするのです。さらにそれを発表する「高校生と考える観光まちづくりシンポジウム」も開催しています。

 全国の高校生と学校関係者を招待し、旅行をする学校側と受け入れをする地域側が一体となって地域の社会課題を知り、その解決につながるアイデアや知見を協働で出し合うことで、地域の持続可能性につながる新しい教育旅行のスタイルを提案し続けているところです。

創業者の精神をこれからも

 当社は1905年創業の日本で最も歴史ある旅行会社です。弁当販売を家業としていた創業者の南新助は汽車券の団体割引制度を発案し、我が国初の列車を利用した団体旅行(伊勢神宮参拝団・善光寺参拝団)を企画しました。顧客を喜ばせるためのチャレンジ精神は今でも当社に脈づいていると感じます。

 例えば、当社は92年に日本人宇宙飛行士がスペースシャトルで初めて宇宙に飛び立って以来、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からの受託により宇宙飛行士の活動やロケット打ち上げに関わる支援業務に携わり、2020年には宇宙事業の専門部署も設置しました。今では学生への宇宙教育などを行う「ミライ塾」も始めています。

〝新たなテーマを創り出す〟という当社が持つこのチャレンジ精神を次の120年も発揮していきたいと思っています。

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