筆者のモニター環境は、最新ではないものの概ねデュアルモニター環境である。プライベートエリアにはデスクトップ用にDisplayPortで2枚接続するメイン環境、ワークエリアでは備え付けのアームモニターにHDMIで接続するノートPCという環境だ。

開発者やデザイナーはここにIDEやAdobe Illustratorなどを筆頭に常時表示させるウィンドウが複数加わるため、飽くなき追求を行っている。シングルマルチモニター(「シングルマルチモニター」でプログラマーやデザイナーも作業効率倍増!5Kウルトラワイドモニターの活用術 )などもそうであろう。ほかにも映像やデータベース、マップなど定位置を与えなければならないツールが専門的な業務で活躍するが同様である。

筆者の場合、多目的なブラウザとテキストエディタ、メールやチャットなどのコミュニケーションツールというのが定位置を占める御三家となるが、ここにExcelやコマンドラインターミナルなどプラスαのウィンドウが加わると手狭に感じる。しかし作業ウィンドウが増えるとなぜここまでストレスになるのだろうか?

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定量的な研究成果が情報処理学会論文誌(大画面ディスプレイ・多画面ディスプレイの導入による業務効率化の測定/2009 柴田 博仁氏)に記されている。独自のツールと被験者を用いた検証でウィンドウ操作のアクティブ、移動、リサイズなどの操作回数とモニターの種類(Large/Small/Dual)での比較を細かく調査しているものだ。

Dualモニターがもっとも操作時間が少なく、とくに"リサイズ"の操作回数が顕著だ。すくなくともDualモニターでは操作負荷は減少する。またリサイズは、ほかの操作に比べて、複雑さがある。積み重なると"しんどい"のかもしれない。昨今では浸透する生成AIの活用もここ加わっているわけだが筆者もご多分に漏れず活用することが増えている。このリサイズから解放されるためには、モニターを増やすしかない。トリプルモニターである。

ワークスペースとプライベートスペースともにトリプルモニターにするには?軽量で持ち運び可能なモバイルモニターである。試験的に比較的安価な12.3インチのものを導入してみたのだが、デスクトップPCで空いているHDMIで接続しても「信号なし」状態・・・。ケーブルなのか?製品なのか?マニュアルの日本語は数ページしかない。焦りと安物買いの後悔が忍び寄る。

そうだ。生成AIに聞いてみよう。しかし、最初のプロンプトアタックでは、すでに試した情報しか出てこない。焦るな焦るな。生成AIでは具体的な情報がより精度を上げてくれる。こちらの環境をじっくり伝えてみようとDisplayPortで2枚接続していることをプロンプトで伝えた。

すると、盲点であったBIOS設定への言及が出てきた。BIOS設定のiGPU(Integrated Graphics Processing Unit)が無効になっていると駄目だとのこと。そんなことがあるのか?と設定を見ると無効になっている。有効化してみたところ
  • 縦置きモバイルモニターでトリプル

    縦置きモバイルモニターでトリプル

と無事に映った。焦ってしまったが、生成AIに助けられたことは間違いない。Web検索だけでたどり着くには相当な時間がかかるだろうし、"もう見たくない"と押し入れにいれる寸前であった。価値的損失も防いでくれたということになる。使い方やプロンプト次第な部分でまだまだ引き出せてない使い方もたくさんありそうだ。