KDDIは9月17日から、専門知識不要でAIアプリを開発可能な生成AIサービス「ELYZA Works with KDDI」を提供開始する。同サービスは法人向け生成AI活用ツール「ELYZA Works」に、KDDIが社内で開発し活用しているサンプルAIアプリをセットで提供するもの。
KDDIは同サービスを社内で先行活用し、報告書作成業務アプリにより業務時間を約80%削減した。また、月間約600件の問い合わせ履歴に基づく顧客ニーズの自動抽出など、約100種類のAIアプリを開発し、業務効率化につなげている。
KDDI社内で効果が確認されたAIアプリをツールとセットで提供することで、ユーザーのAIアプリ開発を支援する。ユーザーはサンプルを自社業務に適用できるほか、AIアプリを作成する際の参考としても利用可能。
サービスの背景
近年は生成AIを活用したサービスが増えているが、業務で利用する際には膨大なプロンプト投入や業務に即した個別開発が必要になるなど、手間やコストが掛かり、利用のハードルが高い課題があった。
また、社員が生成AIを活用して作成したプロンプトや業務アプリケーションを組織内で共有・展開する仕組みがなく、社内活用が広がらないという意見もある。そこでKDDIとELYZAは、ELYZAが培ってきたLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)技術とKDDIが生成AI活用を通じて得た知見を基に企業のAI活用を促進するため、同サービスの提供を開始する。
サービス概要
「ELYZA Works」は専門的なプロンプトスキルやインタフェース設計の知見を持たなくても、自社業務の効率化に必要なAIアプリを開発可能なツール。同ツールと合わせて、KDDIが社内で作成し、業務効率化や生産性向上につながったAIアプリのサンプルを提供する。
開発したAIアプリは自社内で展開が可能なため、AIアプリを社員間で有効利用できるほか、ユーザー自身によるAIアプリ開発の参考としても利用できる。
さらに、オプションとしてカスタマーサクセス支援サービスを提供する。具体的には、ユーザーの業務に寄り添ったユースケースの策定から、アプリの作成、精度向上までの一連のサイクルを伴走支援することにより、業務におけるAI活用と浸透をサポートする。
サービスの特徴
「ELYZA Works」はアプリの作成画面でやりたい作業を入力するだけで、AIが改善提案を行い、業務に特化したAIアプリを自動生成する。出来上がったAIアプリについては、評価用テストデータも生成可能。
また、AIアプリ利用者のフィードバックや編集内容を入力し、業務に最適化されたデータを出力する。社内展開後も利用ログや評価をもとに、アプリの質を継続的に改善できる。
シングルサインオンやIPアドレス制限など、行政にも求められるレベルのセキュリティ必須標準を備え、企業での利用をサポートする。組織規模を問わず、安心してAIを活用できる基盤とのことだ。
「ELYZA Works with KDDI」では、実際にKDDI社内で作成された業務アプリのサンプルをプリインストールして提供する。これにより、実際の活用イメージや操作感を体験できる。
KDDI社内での先行活用事例
KDDIの法人向けコンサルティング部門では、セキュリティアセスメントレポートを作成している。レポート作成に要する工数の増加や、品質標準化が課題となっていたという。
この業務に「ELYZA Works with KDDI」を活用することで、従来は平均5時間かかっていたレポート作成が1時間に短縮され、作業時間を約80%削減したほか、レポート文面の均一化・標準化が実現された。
また、営業支援部門では、代理店から月間約600件の問い合わせ履歴を基にニーズを抽出し、代理店サポート業務を改善している。これまでは顧客情報の取り扱いに伴う目検作業や、1件ずつ生成AIに個別入力することで顧客ニーズを抽出してきた。
これに対し「ELYZA Works with KDDI」を活用して、目検作業や個別入力を不要にたほか、AIによるニーズの自動分析を可能とした。これにより、年間750時間の業務時間が削減されたとのことだ。
