日本生命が「情報漏洩」で報告書 メガバンクは出向受け入れ廃止へ

銀行窓販」に影響するか?

 生命保険会社にとって貴重な販売チャネルである「銀行窓販」。銀行側で、これを担う存在でもあった生保からの「出向者」だが今、廃止の危機に瀕している。

 最初のきっかけは2024年に相次いだ損害保険会社が起こした情報漏洩などの不祥事。この時は地域銀行を中心に損保だけでなく、損保系生保の出向者引き揚げが相次いだ。

 そして今回、日本生命保険(朝日智司社長)から三菱UFJ銀行に出向していた社員が、同行の内部情報を無断で持ち出し、社内に共有していたことが明らかになった。

 これを受けて、すでに当の三菱UFJ銀行が26年3月末までに出向の受け入れを廃止する方針を明らかにした他、みずほ銀行、三井住友銀行でも受け入れ廃止を検討している。

 ただ、同様に生保から出向者を受け入れている地域銀行は様子見の状況。社内の人材で窓販ができるメガバンクと違い、今も生保からの出向者に依存する傾向が強いからだ。

 情報漏洩の動機や真因は正式には明らかになっていないが、三菱UFJ銀内で保険商品を売った行員に対する評価や、他生保の商品の情報に関して、行内でまとめた資料が持ち出されており、日本生命の出向者は少しでも自社の窓販に有利になる情報を集めていたことがわかる。

 問題を受け、金融庁は日本生命に報告徴求命令を出した。これを受けて同社は25年8月18日に報告書を提出したが、まだ公表されていない。8月20日現在、社内調査が完全には終わっていない模様で、三菱UFJ銀の他、地域銀行や保険代理店に関しても調査を行っているため時間がかかっているようだ。

 今回の問題が銀行窓販縮小につながる事態にまで及ぶかどうか、業界全体で注視している。