Helpfeelは8月27日、企業のAI活用を支援する「AIナレッジデータプラットフォーム」を形成する3つの新サービスとして、「Helpfeel Agent Mode」「Helpfeel Support」「Helpfeel Analytics」を発表し説明会を開催した。

同社ははこれまで、FAQやヘルプデスクといった自己解決チャネルを通じて顧客の課題解決を支援してきた。今回発表する新サービス群はその知見をさらに発展させ、AIの力で顧客体験を拡張するものだという。

代表取締役 CEOの洛西一周氏は同社サービスの特徴について「従業員やエンドユーザーがAIアプリケーションを使えば使うほど、企業内に知見が蓄積される。そのデータをナレッジデータウェアハウスに追加すれば、AIはより精度の高い出力が可能となる。このPDCAサイクルにより"AIを強くするAI"というのが、当社の強み」と紹介した。

  • Helpfeel 代表取締役 CEO 洛西一周氏

    Helpfeel 代表取締役 CEO 洛西一周氏

  • AIナレッジデータプラットフォームの概要図

    AIナレッジデータプラットフォームの概要図

対話だけでなく解決まで導く「Helpfeel Agent Mode」

エンドユーザーはFAQやチャットボットを活用して、自身の困りごとや課題を解決する答えを探すために、企業サイト内を回遊する。また、検索に適したキーワードを考える手間などが発生する。

答えが見つかった後も、内容が不確かな場合には他のサイトで再確認したり、解決のために別のサイトやアプリへ移動したり、サイトを離脱してしまう場合もある。

こうした課題に対しAIエージェントの「Helpfeel Agent Mode」は、ユーザーの体験を「答えを見つける」ではなく「課題を解決する」へと変化させることを目的に開発された。その場で解決のためのアクションまで完結できるという。

また、「Helpfeel Agent Mode」は、確かな根拠のある情報に「信頼できる回答」のアイコンを表示する。これにより、顧客は回答の確かさをすぐに把握でき、安心して次のアクションに進める。解決につながる過程からの離脱を防ぎ、顧客接点の価値を高めながら収益機会を創出する。

  • 「Helpfeel Agent Mode」のイメージ

    「Helpfeel Agent Mode」のイメージ

例えばホテルの予約の場合、チャット形式の対話の中で大浴場の設備やキャンセル料などを確認できるだけでなく、AIからの回答内に予約フォームやオンラインストアの案内を埋め込むことができる。不明点をAIに問い合わせるだけでなく、予約まで一つの対話の中で完結できる利点がある。同サービスは2025年10月に提供開始予定。

  • 「Helpfeel Agent Mode」のチャット画面例

    「Helpfeel Agent Mode」のチャット画面例

  • チャットから画面を離れることなく予約まで完了する

    チャットから画面を離れることなく予約まで完了する

AIによる問い合わせ管理「Helpfeel Support」

「Helpfeel Support」は有人対応のカスタマーサポート業務をAIで支援する。問い合わせが入るとチケット化し、Helpfeelが開発したAI「Sara」が自動で内容を分類し、担当者の振り分け、返信ドラフトの生成まで実行する。

オペレーターはAIが用意した内容を確認し送信するだけで初期対応を完了できるとのことだ。さらに、対応履歴からナレッジベースとなるFAQの改善点を抽出し、エンドユーザーの自己解決を促すコンテンツの作成も支援する。

これにより、問い合わせ件数そのものを減らす好循環が期待できるという。2025年10月に一部クライアントを対象にクローズドベータ版を提供開始。

  • 「Helpfeel Support」のイメージ

    「Helpfeel Support」のイメージ

問い合わせログをFAQ運用へ活用する「Helpfeel Analytics」

カスタマーサポートには日々、数千から数万件規模の電話やメールの問い合わせが寄せられる。これらは貴重な「VoC(Voice Of Customer:顧客の声)」となるが、量が膨大な場合は人力での分析が困難だ。

VoCはFAQなどの自己解決チャネルにも転用できるが、人力での対応が困難なため有効に活用しきれない場合も多い。このため、カスタマーサポートには何度も同じタイプの質問が寄せられる原因となっている。

「Helpfeel Analytics」はAIが問い合わせログを自動でクラスタリングし、既存のFAQなど既存のナレッジ記事と照合して改善ポイントを抽出する。

  • 「Helpfeel Analytics」のイメージ

    「Helpfeel Analytics」のイメージ

既存記事があるにもかかわらず問い合わせが発生している場合には、「問い合わせ件数」と「ナレッジ記事閲覧数」などを比較して分析し、「閲覧数が多いのに問い合わせも多い場合は記事の見直しが必要」といった課題を特定。具体的な改善案を提示する。

さらに、問い合わせに関連する記事が未掲載の場合には、類似ログをもとにAIが記事ドラフトまで自動生成する。AI分析と生成AIの機能を組み合わせることで、FAQ運用の負荷を抑えながらカスタマーサポートに寄せられる問い合わせの削減を支援する。

26億円を資金調達、累計調達額は59億円に

Helpfeelは同日、グローバル・ブレインとSMBCベンチャーキャピタル・マネジメント、およびJPインベストメントを投資家とした第三者割当増資により、シリーズEラウンドのファーストクローズで総額26億円の資金調達を実施したことも発表。これにより累計調達額は59億円となる。

  • 26億円の資金調達を実施した

    26億円の資金調達を実施した

この調達資金は上記の「AIナレッジデータプラットフォーム」の今後の展開などに充てるとのことだ。公開Webサイトやコールセンター、社内利用といった複数の領域でのプロダクト展開を強化し、高度な顧客対応や業務効率化を実現するための基盤インフラ構築を進める。

洛西氏は「ナレッジデータプラットフォームにより企業内のデータを適切に活用できるようになれば、FAQなどWeb接客の拡大を想定する企業だけでなく、社内のノウハウを活用したいすべての企業が当社サービスの対象となる。バーティカルではなくホリゾンタルな領域でビジネスを展開していく」と今後の展望を示した。

  • 今後の展開

    今後の展開