日立製作所の鉄道システム事業を担う日立レールは8月4日、国際的なインフラグループであるBalfour Beatty(バルフォア・ビーティ)から、最先端デジタル鉄道監視システムを手掛けるOmnicom(オムニコム)の買収を完了したことを発表した。
鉄道DXに貢献する「HMAX」強化へ戦略的買収を実行
日立レールが提供するデジタルアセットマネジメントプラットフォームの「HMAX」は、列車と周辺の鉄道インフラからの膨大なライブデータを単一プラットフォームへとシームレスに統合する、包括的なソリューション。同プラットフォームは、独自技術に日立グループの“IT×OT×プロダクト”を融合させることで、同社が掲げる「Lumada 3.0」を体現するといい、AIと機械学習によってデータを処理、必要な情報を抽出することで、鉄道運行の最適化やエネルギー消費の削減、オンコンディション/予防保全プロセスなどの運用およびサービスの強化を実現するという。
またHMAXの使用により、列車やインフラ上の“エッジ”で大量のデータをリアルタイムに処理し、関連した情報のみをオペレーションセンターに送信することが可能とのこと。従来は数日を要していたメンテナンス現場でのデータ処理において、有益なデータ分析結果を鉄道事業者に届ける速度を飛躍的に向上させるとする。なお同ソリューションは、2024年9月に開催された国際鉄道展示会「InnoTrans(イノトランス)2024」で発表され、現在では世界市場で2000編成・8000両以上の車両に搭載されている。
そうした中で日立製作所は、HMAX事業のさらなる成長を目的として、デジタル鉄道監視システムを手掛けるオムニコムの買収を決定。同社のソリューションは日立レールのプラットフォームに組み込まれ、世界中の顧客へとカスタマイズされて提供されるという。
日立レールによると、今回買収された新しいソリューションおよび独自技術には、架線や線路などの鉄道インフラアセットを測量・検査・監視するためのソフトウェアとハードウェアが含まれるとのこと。監視技術は列車に導入でき、エッジコンピューティングと機械学習を使用することで、線路上の異常をほぼリアルタイムで検出する。同社はオムニコム独自のセンサ技術により、1日あたり数兆バイトの画像データを収集可能にし、顧客は軌道インフラのメンテナンス計画とアセットのライフサイクルを最適化できるとする。
同買収にあたり、日立レールのExecutive Director兼CTOを務める我妻浩二氏は、「HMAXプラットフォームは鉄道のデジタルトランスフォーメーションを推進しており、オムニコムの軌道監視ツールが追加されることにより、顧客の鉄道システムを最適化するグローバルサービスがさらに強化される」とコメントしている。